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Japan
At the heart of the image.

talk! talk! talk! フォークシンガー・なぎら健壱さん


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フォークシンガー・なぎら健壱さん

フォークシンガー

なぎら健壱さん

ドラマでの"味のあるおじさん"やバラエティーでの"物知りおじさん""おかしなおじさん"。そんな印象を持つ人も多いのではないだろうか。
しかしひとたびステージに立てば、心にしみるフォークソングを歌い奏でる"かっこいいおじさん"になる。フォークシンガー・なぎら健壱さんは、多才、そして多趣味としても知られている人である。
そんななぎらさんがここ最近のめり込んでいるのがカメラ。
今回は、"少年のような目をしたおじさん"になったなぎらさんにたっぷりとお話を伺った。

プロフィール

なぎら・けんいち。1952年、東京銀座(旧木挽町)生まれ。現在も下町に住む。
1970年、中津川フォークジャンボリーのステージで、飛び入り参加して歌った歌がレコードになり、これをきっかけにフォークシンガーとしてデビューする。72年、ファーストアルバム「万年床」を発売。以降、心にしみる、懐かしい趣きのフォークソングを歌い続けている。吉祥寺マンダラ2でのマンスリーライブは20年以上続いており、観客は男女を問わず、20代~50代と実に幅広い層を魅了している。
現在は、その独特のキャラクターで、ドラマ、コメンテイター、ナレーター、リポーターなどテレビでも活躍中。また、ラジオや執筆活動も行い、下町暮らしの知識を活かして「東京の江戸を遊ぶ」(ちくま文庫)「ぼくらは下町探検隊」(ちくま文庫)などの書籍を上梓している。
趣味人としても知られており、カメラの他にも自転車、散歩、絵画、落語Aパソコン、プロレス鑑賞、がらくた収集など様々。

フォークの先輩に感化され 購入したニコマート

フォークシンガー なぎら健壱さん

カメラとの出会いを聞かせてください。

73年ですね。フォークの先輩に高田渡さんっていう方がいてね、いつもカメラを持ち歩いていたんですよ。彼が結構良い写真を撮ってるんですよ。で、悔しくなったっんですね。あの人が撮れるならあたしも撮れるなと(笑)。それでニコマートを買った、それが最初です。

悔しくなったというのは?

あたし、デザイン学校出てるんですよ。絵をやっていましたから、割合に構図とかはお得意なんです。だから高田さんの写真を見たときに、素人がこれだけのものを撮りやがってという悔しさがあったんですよ。ということは、あたしにも撮れるな、と(笑)。

最初にニコンのカメラを選んだのは理由があるのですか?

なんでしょうね? とくにブランド意識があったわけではないんですけどね、ニコンを買えば間違いないというのは頭にありましたね。高田さんが使っていたのがニコンだったというのはあったと思うんですけど、なんかニコンがいいなと思っちゃったんだよね。
でもあの、レンズの固さがあたしは好きなんですよ。ニコンは固めに撮れるでしょ?

どんなものを撮っていたんですか?

当時はフォーク全盛でしたから、全国を回って歌っていたんです。旅がすごく多かったんですよ。それで、旅のシーンをカメラで切り取りたいな、みたいな思いもあってね。でもね、いかんせんニコマートは重いでしょ(笑)? だから途中でちょっとギブアップしちゃった。
結果的に日常をよく撮っていましたよ。下町に住んでいましたから、下町を撮ることが一番多かったかな。今も下町の写真を一番よく撮っていますよ。

デジタルカメラが 撮る楽しみを教えてくれた

今回は、「うつる」をテーマに写真をセレクトしたそうだ。一枚目は取材で訪れたという鳴子の共同浴場にて。
今回は、「うつる」をテーマに写真をセレクトしたそうだ。
一枚目は取材で訪れたという鳴子の共同浴場にて。

今日お持ちいただいたFM2は、いつ頃買われたものなんですか?

これはもう10年前ぐらいかな。ニコマートの次に買ったんですよ。あのね、その後もカメラは何台か買いましたけど、本当に凝りだしたのってここ最近なんですよね。

凝りだしたのには理由があるんですか?

こいつ(D100を持って)でしょうね。これは買ってからちょうど一年ぐらいですけど、このデジタルカメラを使うようになってから凝りだしましたね。
ほら、現像代がかからないでしょ。今まで、現像代気にして、きっと面白くなさそうだから押さえなくていいやって思って撮らなかった場所でも、これだと気にしなくていいじゃない。なんでも気にせずパカパカ撮れるから、逆にカメラに対する興味が湧いてきたというか、身近になったんですよ。

気軽に撮れるというのがデジタルカメラのいいところですよね。

D100に装着されているレンズは45mmf2.8Pのシルバー。「あえてこれつけてみたんだけど。この組み合わせで持つ人はあまりいないでしょ?(笑)」
D100に装着されているレンズは
45mmf2.8Pのシルバー。
「あえてこれつけてみたんだけど。
この組み合わせで持つ人は
あまりいないでしょ?(笑)」

そうでしょ?昔は写真機といえば金持ちが持つようなものであって、一枚一枚フィルム巻いてって、どこか大仰なイメージがありましたよね。でもデジタルであれば手軽に誰でも手にしやすいし、数多く撮れるし、銀塩に優るとはいえなくても劣ることのない写真が出来るわけじゃないですか。あたしがのめり込んだっていうのはそこなんです。
デジタルカメラで撮る、写すってことが楽しくなったからこそ、今では昔の銀塩カメラなんかにも興味を持つようになったんですよ。
あとは、こういった、おかしな奴を撮ってみたり。

デジタルカメラが、カメラ全体への興味を広げてくれたんですね。

そうそう。ほんと、デジタルカメラのやったことってすごく大きいと思いますよ。ここまで一般家庭に広く普及したっていうのはね、デジタルカメラが写す楽しみを教えてくれたからだと思うんです。技術も知識もノウハウもいらない、とにかく撮って楽しんでみてよっていう部分で広がっていると思うんですよね。
だから、その先へもうひとつ延ばせるようなデジタルカメラを考えてくれたらと思うんですけどね。

"撮って楽しむだけ"から、さらに興味を深く持てるようなものを、ということですか?

ただお手軽な、安易なカメラというところで止まってほしくないというか、それは寂しい気がするんです。もっと遊び心みたいなものが増えていくと、また違ったファンがデジタルカメラを持つようになるんじゃないですか?Sマウントのデジタルカメラなんかいいですよね。"SPのデジタルカメラ"とか、そういうのをニコンでもやってくれると面白いと思いますよ。