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talk! talk! talk! 女優・小川範子さん


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女優・小川範子さん

女優
小川範子さん

今秋にデビュー15周年を迎える小川範子さんは、知る人ぞ知るニコンFユーザー。劇のパンフレットやアルバムジャケットのセルフポートレート写真を撮影する一方、2001年にはチャリティ写真展「かめかめら展」にも出展。
「大事なカメラで興味のあるものだけを撮る」とひとつひとつの撮影を大切にされている小川さんに、撮影のときのエピソード、その楽しみなどを聞いた。

プロフィール

おがわ・のりこ。1973年東京都生まれ。1986年TVドラマ「愛の嵐」(フジテレビ系)のひかる役で注目を浴び、1987年「涙をたばねて」(トーラスレコード)でCDデビュー。舞台でもひとり芝居「不真面目な十七歳」、ミュージカル「シェルブールの雨傘」などに出演。写真撮影が趣味で愛機はニコンF。現在はTVドラマ「はぐれ刑事純情派」(テレビ朝日系)にレギュラー出演中。2002年6月30日まで東宝芸術座(東京・有楽町)において舞台「夕やけ小やけでまだ日は暮れぬ」に出演。

愛用カメラはニコンF 「撮りはじめは見よう見真似です」

Fといえば、はじめて発売されたのは1959年、現在は生産されていないFシリーズ初代の一眼レフ・マニュアルカメラです。どんないきさつでFを使われるようになったのですか?

マニュアルカメラに興味を持ちはじめたのは、5年くらい前なんです。それまではコンパクトカメラを使っていたんですが、ちょっと物足りなさを感じはじめたんですね。今のコンパクトカメラは、シャッターを押すだけで誰でもきれいな写真が撮れちゃうじゃないですか。そこで、偉そうな言い分かもしれないんですが、自分の意図を反映させたりするには、マニュアルカメラがいちばんかなと思ったんです。
 でも、レンズから何から揃えていこうとすると、ものすごーく高くなってしまうことに気付きまして(笑)。もしそれで使いこなせなかったら、宝の持ち腐れになっちゃいますよね。そこで、仕事柄カメラマンの方と接する機会が多いので、知り合いのカメラマンに相談してみたんです。そうしたら、その方がお持ちのニコンFを「よかったら使ってください」と譲ってくださったんです。

レンズは何を使っていらっしゃるんですか?

小川範子さん

カメラといっしょに、標準レンズを1本いただいたんです。今でもほとんどそれしか使っていないんですよ(笑)。

すると小川さんの写真は、単焦点の標準レンズだけで撮っているんですね。マニュアルカメラの使い方は、どうやって勉強されたんですか?

最初はいきあたりばったりでした(笑)。どちらかというと、ちゃんと本を読んで勉強してからトライするほうではないので、見よう見真似です。今は露出計も使っていますが、最初は持っていませんでした。あとは、周囲にたくさんいらっしゃるカメラマンの方に、いろいろお聞きして覚えました。

最初にFから使いはじめるというのはすごいですよね。

「大胆だ」と言われました。知らないがゆえにできた選択だと(笑)。

Fはマニュアルで撮影する楽しみが十分満喫できますよね。

被写体にピントをあわせて、ぴっと合うときって気持ちがいいですよね。
 オートは確かにきれいな写真が撮れます。でも、「これは私がうまいんじゃなくて機械がうまいんだ。機械に操作されてどうするんだ」などと思ってしまって。マニュアルカメラには、失敗する楽しみもあると思います(笑)。

たまたま撮れた写真も楽しい モノクロ写真に感じる新鮮さ

小川範子さんのセルフポートレート
小川範子さんのセルフポート
レート。手に持っているのは?
「お気に入りのカフェオレボウル
なんです。フレンチポップだけ
を歌うライブがあって、その
チラシのために撮りました。
背景にはブランケットを
壁に張り付けて撮っています」。
大きな瞳が印象的!
「目もとだけなので、
ぱっと見たら私だって分かりません
よね。それも面白いなと思って
撮りました」

最初のうちは、露出などの失敗から思わぬ写真が撮れてしまったりしませんか?

そうですね……。失敗ももちろんありますが、なかには「よく撮れた!」と思える作品が偶然撮れることもありますね(笑)。
私はモノクロしか撮らないのですが、焼きつけ方とかで微妙にうまい雰囲気の写真になったりすることもあります。ごまかしてしまうというか。

モノクロ写真だけというのはこだわりですか?

子どものころからテレビも写真もカラーなのが当たり前だったので、逆にモノクロが新鮮に感じて、とても好きなんです。
あとは、お店でフィルムを探したときに、モノクロフィルムって安かったんですね(笑)。現像とかプリントとかすると高くなっちゃうので結局は同じなんですが、きっかけはそういう単純なところからです。

価格が安いというところから始まって(笑)。

そう、そうなんです(笑)。カラーはあまり挑戦しようと思わないんです。私にとってFはモノクロ専用ですね。

レフ板は白いTシャツ、ライトはスタンド! 「偶然できた構図を、味と言いきります(笑)」

ひとり芝居『不真面目な17歳』のチラシ
1998年におこなわれた小川範子
さんのひとり芝居『不真面目な
17歳』のチラシ。
小川さんは、初めての恋で
エイズウィルスに感染した
17歳の少女の役を熱演。
よい台本とめぐりあえたら、
またひとり芝居を続けて
いきたいそう。

セルフポートレートを、撮りはじめたきっかけは何ですか?

お気に入りの舞台衣装を写真に残しておきたい、というのがきっかけでした。舞台のお仕事で、1940年代くらいのアメリカのアンティーク(古着)を着たことがあって、とっても気に入っていたんです。でも、もちろん舞台が終わったらお返ししなきゃいけませんよね。だから記念に、舞台衣装を着た写真を撮ったんです。

撮った写真はどんなふうに使っていらっしゃるんですか?

ひとり芝居をこれまでに何度かやっているんですが、そのパンフレットや、ビデオのパッケージなどにも使っています。ライブのチラシやパンフレットも自分で写真を撮っています。

どんな作品が気に入っていますか?

うーん。ほとんど趣味でやっていることなので、いつも「これはいい!」ってひとりで喜んでいます(笑) 。いちばん最初にセルフポートレート写真を使ったのが、このひとり芝居のチラシです。自宅で撮ったんですが、レフ板の代わりに白いTシャツを床にひいて、スタンドをライトにして撮影しました。セルフポートレートなので、撮るときにファインダーを覗けないじゃないですか。だからこう顔が切れちゃったんですね。でも、これが味だと言いきって(笑)。

ピントはどうあわせたんですか?

壁に文字を書いた紙を貼ってピントをあわせる目安にしたり、大きめのぬいぐるみを自分の代わりに置いたりします。シャッターはタイマーで落ちるようにして……。ひとりでいろいろドタバタと撮っています(笑)。

作品作りを楽しむ小川範子さん ジャケット写真の主役はワンピース

アルバム『ホオズキ』
小川範子さんがアーティスト名を
「OGAWA」として発表したアルバム
『ホオズキ』

2001年10月に発売された小川さんのアルバム『ホオズキ』のジャケット写真も、セルフポートレートですよね。この写真のモチーフを教えてください。

『ホオズキ』は、シュールでセクシーな感じの世界観をもった作品なんです。コンセプトとしては日本的な情緒感を中心におき、サウンド的にはフレンチっぽい要素を取り入れています。日本とフレンチのミックスという点から、どんなジャケット写真にしようかなと考えたんです。
 そこで、自分の持っている服のなかに、日本の着物のような花柄が入ったフランス製ワンピースがあったので、それを着たいなと思ったんです。写真ではあまりよく見えないので、説明しないと分からないんですが(笑)。だからこれは、ワンピースが主役の写真なんですね。背景も、そのワンピースに馴染む場所を選びました。どこにでもあるような普通の雑木林なんですが。

写真を撮る場所はどう選ぶんですか?

あまり「こういう場所を探そう!」と肩に力を入れると見つからないので、ふだん、散歩したり車で移動しているときに、気になったところを見つけておきます。そのアルバムジャケットの林もそうなんです。