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talk! talk! talk! 俳優・宍戸 開さん


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俳優・宍戸 開さん

俳優
宍戸 開さん

俳優という、いわば撮られる対象としての「宍戸開」がもつもう一つの顔は、撮るのが好きでたまらない、写真家「五影開」。普段愛用しているカメラはF100×2台とD1。「撮られる側の気持ちが分かるから、被写体を大切にしたいんです」
vol.1に引き続き、写真(=静止画)、映画(=動画)、両方面に渡って活動する宍戸さんならではの、写真家としての意気込み、フィルムに対するこだわりに、さらにディープに切り込みました。

プロフィール

1966年、東京都生まれ。玉川大学在学中にNHK大河ドラマ「武田信玄」で俳優としてデビュー。映画デビュー作「マイフェニックス」で第13回日本アカデミー賞新人賞を受賞。以後、映画、テレビドラマ、ドキュメンタリー、CMなどで幅広く活躍。最新出演作は映画「青空にシュート!」(2001年9月公開予定)。
無類のカメラ好きとして知られ、現在まで2冊の写真集「もっと高く、もっと遠くへ 宍戸開の世界 Nepal1997」(近代映画社)、「マフィーシ ムシュケラ」(ドリームワークス出版株式会社)を出版。「JR時刻表」(弘済出版社)、「ニッコールクラブ」(ニコン)でフォトエッセイを発表。

子どものころは“カメラがおもちゃ”。写真を始めようと思ったのは学生のとき。

カメラや写真は、子どものころから身近な存在でした。
 家には父親を撮りにくるスチールカメラマンがしょっちゅう出入りしていて照明道具とかも見慣れていましたし、母親が、たぶんFMだと思うんですが、マニュアルの一眼レフを持っていて、そのシャッターを巻く音とかがとても好きでした。コダックの黄色い箱からフィルムをびーーっと引き出して遊んだりもしました。子どものころはカメラはおもちゃだっていう意識が強かったですねえ。
 中学・高校時代はスキーに夢中になっていまして、その白銀の世界で考えたんです。この、空の青、雪の白、岩や木の黒だけの世界を何かに残したいなぁと。絵を描こうか、写真に撮ろうかと。
 でも絵は時間がかかるし、写真にはお金がかかる。だから、仕事をするようになって、自分でお金を稼げるようになったら、カメラをライフワークにしていこうと思ったんです。
 そもそも、カメラも映画と同じ映像の分野ですよね。35ミリは映画のフィルムから来ていますから。それを両方やっていくのは僕にとってすごく自然なことなんです。

「写真は動きを封じ込めるもの」。 止まっているからこそ、見えるものがある。

宍戸さんにとっての、映画と写真の違い、つまり動画と静止画の違いとはなんですか?

僕は二つともあまり区別していないんです。静止画、つまり写真は動きを封じ込めるものであって、それで説明がつかない場合は動画で撮ればいいと思っています。
 でもやっぱり、じっくり考えたい、ゆったりと振り返りたいときは、静止画がいちばん適していると思いますよ。視覚的に止まっていないと、理解できない部分ってあると思いますし。
 風景にしたって、止まっているように見えて、実は時間とともに変化していますよね。それをひとつの絵に封じ込めたいんです。文章でも絵でも、表現方法は何でもよかったんですが、僕が選んだのが写真でした。一見簡単そうなのに、実は奥が深いし。

Photo 撮影・五影 開氏
宍戸さんの写真は、何げない風景にも一つのストーリーを感じる。
Photo 撮影・五影 開氏
アマゾンの「黒い川」と「茶色い川」が交わるところ。

写真はどこで学ばれたんですか?

最初は、写真学校で勉強しようかなと思ったんです。でも、俳優の仕事が忙しかったし、それだったら現場でプロの方に教えていただいたりして、ともかく自分で勉強しなきゃと思っていました。
 で、カメラを買いにいくんですよ。お金を持ってカメラ屋さんに行って、カメラを買うはずなのに、なぜか引き伸ばし機を買っちゃったりして(笑)。
 露出も最初は苦労しましたねえ。分かればどうってことないんだけど、最初のうちは雪山を撮ったはずなのに真っ黒になっちゃって、「どうして? これカメラでしょう!?」って。

実践で覚えるって感じですね(笑)。始めの頃はいろいろ試されてたんですか。

常にいじってましたね。楽しかったですよ。撮ったときのデータを全部メモしておいて、被写界深度を調べたりして。

勉強熱心ですね!

好きだから自然に覚えちゃうんです。いくら理論で覚えていても、実際には太陽も動いていくし、環境が変わりますよね。だから、自分でやって失敗しないと覚えられなかったんです。
 今でもときどきやりますが、カメラ雑誌の撮影講座を読んで、夜景を撮るのに、露出はこう、反射率はこう、というのを見て、わざわざ同じものを撮りに行ったりもします。こういう実験は、最初カメラをはじめたときも、ほんとにしょっちゅうやってましたね。