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星空案内 2016年4月の星空

星空案内:4月の星空

木星が明るく輝いています。4つの衛星や縞模様を観察してみましょう。その木星の周りには「しし座」など春の星々が広がっています。

新生活に合わせ、星空観察も新たな気持ちでスタートしてみてはいかがでしょうか。

星空写真開く


撮影:牛山 俊男

山梨県韮崎市にて

撮影者コメント
町明かりに照らされて満開のソメイヨシノが夜空に浮かび上がる。この日は4月としては冷え込んで、素晴らしい透明度に恵まれた。早くも西に傾き始めた北斗七星と北天に凛と立つこぐま座の、美しい姿が忘れられない。

2012年04月15日 02時42分
ニコン D700+AI AF Nikkor 28mm F1.4D(ISO 1250、露出10秒、f/2.2)、レンズ用フィルター使用

4月の星空開く

南の空

2016年4月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

月は、満月(22日)、上弦(14日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

2016年4月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

4月の天文カレンダー開く

1日(金) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星がよく見えます)
7日(木) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星がよく見えます)
11日(月)   夕方~宵、細い月とアルデバランが並ぶ
14日(木) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
16日(土)   宵~翌17日未明、月とレグルスが並ぶ
17日(日)   夕方~宵、月とレグルスが並ぶ
18日(月)   未明、月と木星が並ぶ
水星が東方最大離角(夕方の西の低空に見えます)
夕方~翌19日未明、月と木星が接近(「今月の星さがし」で解説)
21日(木)   夕方~翌22日明け方、月とスピカが接近
22日(金) 満月。次の満月は5月22日です
25日(月)   明け方、月と火星が並ぶ
深夜~翌26日明け方、月と土星が接近、火星が並ぶ(「今月の星さがし」で解説)
27日(水)   このころ、未明から明け方に火星とアンタレスが接近(「今月の星さがし」で解説)
30日(土) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星がよく見えます)

4月の惑星開く

水星

水星は、夕方に西の低空に見えます。明るさは0等級前後です。

日没30分後(東京で夕方6時45分ごろ)の地平線からの高さは10度前後で、これは太陽から大きく離れることのない水星としては、かなり高い位置です。夕方に見える水星のうち、高度の点では今年もっとも見やすい条件です。ぜひ探してみましょう。

とはいえ、目印になるような天体が近くになく、春霞の影響もあって、高いといっても簡単には見つからないかもしれません(水星としては高いというだけで、一般的には10度は相当低いです)。日没後しばらくしてから、星座アプリなどで位置をよく確かめて、西~西北西の低空を眺めてみてください。双眼鏡があるとわかりやすくなります。

金星

金星は、太陽に近く見えません。8月上旬ごろから、夕方に西の低空に見えるようになります。

火星

火星は「へびつかい座」を動いています。夜9時半ごろに昇ってきて、未明に南の空に見えます。明るさは約マイナス1等級です。

「さそり座」の1等星アンタレスと並び、赤い星が共演している光景が見ものです。明るさや微妙な色合いの違いにも注目して眺めてみましょう。やや離れたところには土星も近づいています。

さらに、25日、26日の未明から明け方には月も接近し、4天体が集合します。肉眼でも楽しめる天文現象ですので、ぜひ早起きして観察したり写真撮影したりしてみましょう。

木星

木星は「しし座」を動いています。夜9時ごろに南の空の高いところに見え、明け方4時ごろに沈みます。明るさは約マイナス2.4等級です。

先月から見ごろが続いており、木星観察の絶好機です。肉眼では18日から19日に月と木星が接近する様子が見もので、気軽に楽しめます。

双眼鏡を使うと、木星の周りを回るガリレオ衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)がわかります。衛星の並び方が日々変わる様子を確かめてみましょう。天体望遠鏡では衛星だけでなく、表面の縞模様や大赤斑という巨大な渦巻き模様も見えます。

「今月の星さがし」を参考に、肉眼から双眼鏡、天体望遠鏡まで、いろいろな方法で楽しみましょう。

土星

土星は「へびつかい座」にあります。夜10時ごろ昇ってきて、未明に南の空に見えます。明るさは約0.1等級です。

天体望遠鏡で観察すると環が見えます。ここ数年は環が大きく開いた角度で見え、とても見栄えがします。深夜に天体望遠鏡を準備するのは大変ですが、意欲のある方は観察してみましょう。

肉眼や双眼鏡では、火星や「さそり座」のアンタレスとやや離れて並ぶ光景を楽しみましょう。25日、26日の未明から明け方には月も接近し、4天体が集合します。肉眼でも楽しめる天文現象ですので、ぜひ早起きして観察したり写真撮影したりしてみましょう。

今月の星さがし木星が見ごろ/火星とアンタレスの接近開く

今月は、見ごろを迎えている木星の話題をご紹介します。また、深夜から明け方に見える2つの赤い星、火星とアンタレスの接近についても案内します。

木星が見ごろ

宵の頃、南の空の高いところに、ひときわ明るい星が輝いています。地球の直径の11倍の大きさを持つ太陽系最大の惑星、木星です。木星は先月上旬に、地球から見て太陽と反対の位置に来る「衝(しょう)」を迎えました。太陽の反対側ということは一晩中見え、地球からの距離が一番近くなって明るく大きく見えることになるので、木星観察の絶好機です。

今月も木星の見ごろが続いています。明るさや大きさはほぼ先月と同じで、宵のころに高くなるという点では先月よりも見やすくなっているので、ぜひ観察してみましょう。


4月18日の夜空。木星と明るい月が並んで見える。月は大きめに描画

肉眼、双眼鏡、天体望遠鏡と観察方法によって様々な楽しみ方ができる木星ですが、まず肉眼で楽しんでみましょう。細長い二等辺三角形を作るように並んだ木星と「しし座」の1等星レグルス、2等星デネボラの、明るさの違いを実感してみましょう。注意深く観察すると、4月上旬よりも下旬のほうが、木星がレグルス寄りになることに気付くかもしれません。

また、18日には木星と月が並んで見えます。単に眺めるだけでなく、地上風景も入れて写真撮影してみると面白いでしょう。

次は双眼鏡での楽しみ方です。木星の周りには60個以上の衛星が見つかっており、このうちとくに大きい4つの「ガリレオ衛星」は双眼鏡で見ることができます。ガリレオ衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)は動きが速いので、数時間のうちに並び方が変わります。夕方、宵、深夜と一晩に3回見るだけでも、お互いの位置関係や木星からの離れ具合が変化しているのがわかるでしょう。ときどき、衛星が木星の裏に回ったり木星の影に入ったりして、3つ以下しか見えなくなることもあります。


ガリレオ衛星の動き。真ん中の木星の周りを4つのガリレオ衛星が回っている。「イ」=イオ、「エ」=エウロパ、「ガ」=ガニメデ、「ト」=カリスト

天体望遠鏡では、ガリレオ衛星のほかに木星の表面の縞模様が見えます。そのうち2本ほどは比較的わかりやすく、気流(上空の風など)が安定していればもっと多く見えるかもしれません。科学館などでは大きい天体望遠鏡で木星を見せてもらえるので、観察会に参加してみてはいかがでしょうか。木星はわずか10時間ほどで自転しており、タイミングが良ければ「大赤斑(だいせきはん)」という大きな目玉のような模様が見えることもあります。

肉眼を含め観察方法ごとに様々な楽しみ方ができること、いろいろな動きがあること、そして何より見つけやすく見やすいことから、木星はオススメの観察対象です。ぜひじっくりと木星を観察してみてください。


4月18日夜10時の木星。左から右に回るように自転している。中央下に見えるのが大赤斑

火星とアンタレスの接近

先月下旬から、火星と「さそり座」の1等星アンタレスの共演が目立つようになってきました。「さそり座」は夏に見やすい星座ですが、深夜にはもう南東の空に見えています。


未明1時の南東から南の空。空の色が変化するのは月明かりの影響のため。また火星が時に明るくなっているのは描画上の効果で、実際の見え方とは異なる

アンタレスという名前は「火星に対抗するもの」という意味の言葉が語源となっています。その名のとおり、明るさが似た2つの赤い星が並んでいる様子は、とても目を引きます。

火星は5月末に地球と最接近する(見かけではなく、実際の距離が近くなる)ので、現在どんどん明るさを増しているところです。すでにアンタレスよりも明るく見えていますが、今後さらにその差が開いていきます。赤い星のどちらが火星か迷ったら「今年の春から夏は、明るいほうが火星」と覚えておけば間違いありません。また、同じ赤と言っても印象が違って見えるはずなので、注意して眺めてみてください。

ところで、火星は惑星なので、星座の星々の中を動いていきます。火星は4月下旬にアンタレスと最接近した後、6月末までは遠ざかっていきますが、その後再び接近し始めて8月下旬に今回よりもさらにアンタレスに近づきます。その間、先述のとおり5月末に火星の明るさがピークとなります。アンタレスのそばを行ったり来たりする火星の様子を追いかけてみると面白いでしょう。写真に撮ったりスケッチを残しておいたりすると、変化がよくわかります。

火星とアンタレスの左(東)には土星も見えています。また、ときおり月も近くに並びます(今月は25日と26日)。こうした天体の接近は肉眼や双眼鏡で気軽に楽しむことができるので、ぜひ眺めてみましょう。


2月から10月の火星の動き(オレンジの線)。明るい点は各月1日の位置を表している。短い線は同期間の土星の動き(中央の光点は6月1日の土星の位置)

今月の星座しし座開く

『しし座』

今月の星座では「しし座」をご紹介しましょう。

4月中旬の夜9時ごろ、南の空の高いところに、青白く輝く星が目に付きます。「しし座」のレグルスで、ライオンの心臓のところに位置する1等星です。このレグルスの上にライオンの頭が、左(東)に胴体が伸びており、2等星デネボラが尻尾にあたります。レグルス、デネボラと2等星のアルギエバは比較的明るく、町中でも見つけられるでしょう。さらに今年は木星が位置しているので、「しし座」の位置がいっそうわかりやすくなっています。


「しし座」と「こじし座」(銀河の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

空の条件が良ければ、「ししの大鎌」と呼ばれるクエスチョンマークを左右反対にしたような星の並び(頭や顔の部分)や、足の部分の星もたどってみましょう。また、「しし座」の上にある「こじし(小獅子)座」も見つけられるかもしれません。春の夜空を駆ける、雄大なライオンの姿を思い描いてみてください。

二重星アルギエバ

アルギエバに天体望遠鏡を向けると、オレンジ色の2等星と黄色の4等星が並んで見えます。とても美しい二重星ですので、天体望遠鏡をお持ちの方はぜひ観察してみましょう。

M66銀河群

ライオンの後ろ足の付け根あたりには「M65、66、NGC 3628」という3つの銀河が集まっています(MやNGCというのはカタログ名です)。いずれも9~10等級の明るさで、空の条件の良いところでは口径10cm程度の望遠鏡で見ることができます。

この3つの銀河は見かけ上の位置が近いだけでなく、宇宙空間内でも実際に近い距離にあります。このような小規模の銀河の集まりを「銀河群」といい、これら3つは「M66銀河群」に属しています。

真夜中の星空開く

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は4月中旬の深夜1時ごろの星空です。5月中旬の23時ごろ、6月中旬の21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(惑星は少し動きます/月が見えることもあります)。


2016年4月中旬 深夜1時ごろの空

「しし座」が、木星とともに西の地平線を目指しています。宵のころに南の空高くを駆けるライオンは雄々しく見えますが、沈んでいくところにも風格を感じられます。ライオンの尾の星デネボラと「おとめ座」のスピカ、「うしかい座」のアルクトゥールスを結ぶと、南西の空に大きな「春の大三角」が描けます。

宵空の主役が木星や「しし座」とすれば、真夜中から明け方の主役は南東の空に見えている火星と土星、「さそり座」でしょう。とくに火星とアンタレスという2つの赤い星が並ぶ光景は美しいので、ぜひ眺めてみてください。

東の地平線近くには早くも「夏の大三角」も見え始めています。春夏それぞれの大三角に3つの明るい惑星など、真夜中の空は新年度を祝うかのようににぎやかです。新年度早々に夜更かしの方は、ちょっと一息入れて、星空を見上げリラックスしてみてはいかがでしょうか。

天体観察用機材の選び方開く

天体撮影用カメラのポイント

天体写真のジャンルにはいろいろありますが、肉眼で見た景色に比較的近い表現の星座写真や星景写真(星のある風景の写真)は、一般的なデジタルカメラだけでも写すことが可能です。

レンズ交換式カメラ


デジタル一眼レフカメラ「ニコン D810A」AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED装着時

星座写真や星景写真を撮影する時には、レンズの選択が重要です。交換レンズは、開放絞り値の小さな明るいものだと鮮明に写すことができますが、いわゆる標準ズームレンズでも撮影可能です。焦点距離をやや広角気味にすると、代表的な星座のオリオン座やしし座、さそり座などを、ほどよい大きさで画面に収めることができます。

また、暗い星空の撮影では、どうしてもシャッタースピードが長くなります。そのため、カメラを三脚に載せて、シャッターボタンを押すときにカメラに振動が伝わらないようリモコンやリモートコードなどを利用してシャッターを切ります。

星座写真、星景写真をより魅力的にするために、明るい星を大きく見せたくなることがあります。市販のソフトフィルターなどの拡散系フィルターでにじませると、明るい星ほど大きく写りますから、星座の形が分かりやすくなるだけでなく、画面を賑やかにすることができます。

コンパクトデジタルカメラ

コンパクトデジタルカメラの中でも近年話題になっているのが、超望遠ズームレンズを搭載した機種です。月面を画面いっぱいに撮影することができ、月のクレーターまではっきり写すことができるものがあります。

明るい月であれば、手ブレ補正の機能を使って手持ちの撮影でもある程度はきれいに写すことができますが、レンズ交換式カメラと同様に、三脚があると安心です。リモコンの代わりにセルフタイマー機能を使うのも良いでしょう。