Nikon Imaging
Japan

2018年1月の星空

年明け早々の2日未明の満月は今年一番大きく見える満月。さらに今月2回目の満月となる31日には皆既月食が起こります。どちらも肉眼でよく見えるので気軽に観察してみましょう。明け方の空の4惑星にも注目です。
2018年も月や星空、天文現象を眺めて楽しみましょう。

星空写真

谷川山系湯檜曾川にて
厳冬期の湯檜曾川から谷川岳山系に沈むオリオン座を狙いました。天神平スキー場のゲレンデ整備照明が谷川岳山系を照らし出し、メリハリのある星景画像になりました。

2017年1月7日 1時51分
ニコン D810A+AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED(ISO 12800、露出2秒×3枚、f/開放)
撮影者:高岡 誠一

1月の星空

南の空

南の空

2018年1月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(2日(ふたご座)/31日(かに座、月食中))、上弦(25日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2018年1月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

1日(月) 初日の出
2日(火) 満月(今年最大の満月、「今月の星さがし」で解説)。次の満月は1月31日(皆既月食)です
このころ、明け方の東の低空で水星がやや見やすい(「今月の星さがし」で解説)
5日(金) 深夜~翌6日明け方、月とレグルスが接近
7日(日) このころ、未明~明け方に火星と木星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
9日(火) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
12日(金) 未明~明け方、細い月と火星、木星が並ぶ
13日(土) このころ、明け方に水星と土星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
15日(月) 明け方、細い月と水星、土星が接近(「今月の星さがし」で解説)
17日(水) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
25日(木) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
27日(土) 夕方~翌28日未明、月とアルデバランが大接近(東北北部より北では、19時ごろにアルデバランが月に隠されます)
31日(水) 満月。次の満月は3月2日です
21時前ごろから翌2月1日1時ごろにかけて、皆既月食(「今月の星さがし」で解説)

1月の惑星

水星

明け方の南東の低空に見えます。日の出30分前(東京で朝6時20分ごろ)の高度は上旬では10度を超え、太陽から大きく離れることがない水星としてはかなり好条件です。ただし、水星としては好条件であっても10度はやはり相当低いので、南東方向がよく開けたところで観察しましょう。下旬になると約5度まで低くなります。

水星は肉眼でも見える明るさですが、双眼鏡を使うと見つけやすくなります。目印になるような天体がないので、星図アプリなどで位置をよく確かめて探してみてください。高いところに見える火星と木星や、少し離れたところに輝く「さそり座」のアンタレスは、方角や高さの見当をつけるのに便利です。

13日前後に土星と大接近します。低空で2つ並んだ星のうち、明るく輝いているほうが水星です。双眼鏡で接近の様子を観察してみましょう。15日には月齢28の細い月も並び、低空ながら3天体の共演が楽しめます。

金星

太陽に近く、見えません。次は2月下旬ごろから夕方の西の低空に見えるようになります。

火星

「てんびん座」にあり、未明から明け方、南東から南の空に見えます。明るさは約1.4等級です。

日の出1時間前(東京で朝5時50分ごろ)の高度は30度ほどで、やや低めではありますがよく見えます。今年の夏から秋には地球と大接近してさらに明るく赤く見えるようになるので、長期にわたって変化を追ってみましょう。

また、木星との接近の様子は目を引く光景です。最接近する7日には100倍の天体望遠鏡でも一緒に見ることができるほどの大接近になり、その前後しばらくは双眼鏡の同一視野で眺められます。色や明るさの違い、間隔の変化に注目して観察してみましょう。12日には月齢25の細い月も並びます。

木星

「てんびん座」にあり、未明から明け方、南東から南の空に見えます。明るさは約マイナス2等級です。

日の出1時間前(東京で朝5時50分ごろ)の高度は30度ほどで、やや低めではありますがよく見えます。高くないので天体望遠鏡での観察にはあまり適していませんが、向けてみるとガリレオ衛星や縞模様が見えます。

明け方の南東の空では木星と火星が接近していて目を引きます。明るく黄色っぽいほうが木星、暗く赤っぽいほうが火星です。2惑星が最接近して見える7日には100倍の天体望遠鏡でも一緒に見ることができるほどの大接近になり、その前後しばらくは双眼鏡の同一視野で眺められます。色や明るさの違い、間隔の変化に注目して観察してみましょう。12日には月齢25の細い月も並びます。

土星

中旬ごろから、明け方の南東の低空に見えるようになります。明るさは約0.5等級です。

日の出30分前(東京で朝6時20分ごろ)の高度は10度ほどと低く、天体望遠鏡での観察にはまったく向いていません。水星と並ぶ光景を双眼鏡で眺めてみましょう。最接近は13日で、暗いほうが土星です。また、15日には月齢28の細い月も並び、低空ながら3天体の共演が楽しめます。

今月の星さがし

今年は13回満月がありますが、その1回目となる2日未明の満月は今年一番大きく見える月、2回目となる31日宵の満月は皆既月食となり、いきなり話題性の高い満月が連続します。

2日未明、今年最大の満月

月は約1か月の間に、満ち欠けによって形(光っている部分)が大きく変化します。それに加えて、月の「見かけの直径」も日々変化しています。もちろん、月そのものの大きさが変化してるわけではなく、月と地球の距離が変わることによって起こる変化です。

つまり、月と地球が一番近づいたタイミングの前後で満月になれば、とくに大きな月が見える、ということになります。近年、こうした「一年のうちで最も大きく見える満月」が話題になることがあり「スーパームーン」などと呼ばれています。今年の場合は1月2日(1日宵から2日明け方にかけて)の月が「今年一番大きい満月」にあたります(2日の宵の月も、ほとんど同じ見え方です)。

2018年の満月の大きさ比較。いずれも「地球の中心」から見た「満月の瞬間の月」を表示している。細い円は1月2日(最大の満月)の大きさを表す

今年最小となる7月28日の満月と、最大となる1月2日の満月の比較

今年最小の満月(7月28日明け方)と比べると、2日の満月は直径で14%、面積で約30%も大きくなります(地球の中心から見た大きさで比較)。図を見るとずいぶん差があるように思えるでしょうが、実際の空で月を2つ並べて観察することはできないので、その差は実感しにくいものです。

最大の(一番近い)満月だからといって何か特別なことが起こるわけではありませんが、やはり「一番」というものには普段以上の魅力を感じてしまうのも事実です。新年早々に「一番大きい」というのも気持ちが良いですね。帰省先や旅行先など普段と違う場所で、久しぶりの家族や友人と一緒に満月を見上げてみてはいかがでしょうか。

31日の宵に皆既月食

2日の満月以降、月は(満ち欠けによって)細くなっていき、17日の新月を境に再び丸さを取り戻していきます。そして1月の2回目の満月となる31日に、日本全国で皆既月食が起こります。月食は「太陽-地球-月」がこの順番で一直線に並び、地球の影の中に月が入り込んで起こる現象なので、必ず満月のタイミングで見られます。日本から皆既月食が見られるのは2015年4月以来、約3年ぶりです。

1月31日20時30分から2月1日0時30分までの南東を中心とした空の様子(場所は東京)。全体図で線は10度間隔、月は大きめに描画している。囲み内は月のクローズアップ(天頂方向が上になるように描画しているので、全体図と囲み内で月の向きは一致しない)

満月が欠け始める(部分食の始まり)は20時48分ごろで、東の空に昇った月の左下から暗くなっていきます。その後、満月は南東の空を高く昇りながら欠けた部分の割合を大きくしていき、21時51分ごろに月全体が地球の影に入ってしまう「皆既食」の状態になります。

皆既食の間は、月食の代名詞とも言うべき「赤い満月」が見られます。地球の影に入っているにもかかわらず満月が見えるのは、太陽の光のうち赤い成分だけが地球の大気で屈折して月まで届いているからです(部分食の時に色がわかりにくいのは、白い部分がまぶしすぎるため)。皆既食は23時8分ごろまでのおよそ1時間15分間続きます。

その後、月は少しずつ明るさを取り戻していき、日付が変わった2月1日の0時12分ごろに再び元の丸い満月になります。欠け始めから元に戻るまで約3時間30分と長時間にわたり、皆既食だけでも1時間以上あるので、事前に観察計画をしっかり立てておきましょう。

なお、月食の進み方は、月が見えるところであれば世界中どこで観察しても同じタイミングで同じように見えます。各時刻で月の方位と高度は観察場所によって多少異なるので、写真を撮る場合などは、前景となる南東方向の建物などを事前に確認しておきましょう。

月食の観察に特別な道具は必要ありません。月の色や形が変わっていく様子は、肉眼でもよくわかります。双眼鏡や天体望遠鏡があれば、さらに微妙な色の違いなども楽しめるでしょう(双眼鏡では月のそばにプレセペ星団の星々も見えるかもしれません)。科学館などでは観察会も開催されるので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。忙しい場合や天気に恵まれなかった場合には、インターネット中継を見るという方法もあります。

平日ではありますが、真夜中や明け方ではない比較的見やすい時間帯に起こる月食ですので、子供から大人まで幅広い年齢の方にとって好都合な月食です。寒さ対策を万全にして、赤い満月をお楽しみください。

明け方の空の4惑星

冬の宵空は色とりどりの明るい星が多く華やかに見えますが、今月は未明から明け方にも美しい光景を見ることができます。南東の空で火星と木星が接近しており、低空には水星と土星も見えるのです。

1月1日から15日まで、2日おきに見た明け方の南東の空の様子(場所は東京)。全体図で線は10度間隔、月は大きめに描画している。囲み内は、7日は火星と木星のクローズアップ(100倍程度の天体望遠鏡で観察した正立像でのイメージ、直径0.5度、木星は大きめに描画)、15日は月と水星、土星のクローズアップ(双眼鏡で見たイメージ、直径7度)

新年になったばかりですが明け方の東の空にはもう、夏を代表する「さそり座」が見え始めています。その一つ隣にある「てんびん座」の中に、明るい黄色に輝く木星とやや明るく赤っぽい火星が並んでいます。日の出1時間前(東京で5時50分ごろ)で高度が30度以上あるのでよく目立ち、早起きの人々の目を引くでしょう。肉眼でもよく見えますが、双眼鏡を使うと色がわかりやすくなります。また、最接近する7日ごろには天体望遠鏡の同一視野で見ることができ、木星の縞模様や衛星と火星を同時に楽しめます。

一方、「さそり座」を挟んで「てんびん座」の反対側、「へびつかい座」や「いて座」に、水星と土星が位置しています。こちらはかなり低いので、南東方向の見晴らしが良いところで探してみましょう。時刻が進んで夜明けが近づくと高度が上がって少し見つけやすくなりますが、同時に空も明るくなってくるのでバランスが難しいところです。目安としては「日の出の1時間前から30分前まで」くらいでしょう。上の星図やスマートフォンの星図アプリを参考にして「火星と木星→アンタレス→水星と土星」のようにたどっていくと見つけやすくなります。水星と土星が最接近するのは13日ごろです。

これら惑星のペアの近くに、細い月が接近することもあります。火星と木星の近くに月が並ぶのは12日ごろ、水星と土星の近くに並び双眼鏡で3天体が一度に見えるのは15日です。ぜひ早起きして、眺めたり写真に収めたりしてみましょう。

今月の星座

エリダヌス座

1月中旬の夜9時ごろ、南の空には「オリオン座」が目立っています。その「オリオン座」の青白い1等星リゲルのあたりから、蛇行しながら地平線に向かって伸びているのが、川をモチーフにした星座の「エリダヌス座」です。明るい星が少なく、街中で川の流れをたどるのは難しいのですが、双眼鏡で一つずつ星をつないでいくと面白そうです。

「エリダヌス座」

エリダヌス川は南の地平線へと流れていき、その果てには「川の果て」という言葉に由来する1等星「アケルナル」が輝いています。日本では九州南部よりも南でなければ見られない珍しい星なので、旅行などで南の地方へ行く機会があれば、ぜひアケルナルを見つけてみてください。シンガポール、オーストラリアと、南に行けば行くほど見やすくなります。

二重星アカマル

川の流れの途中には、アカマルという面白い名前の星があります。かつてはこのアカマルが「エリダヌス座」の果てとされていましたが、中世に星座の領域が拡張され、アケルナルが端になったという歴史があります。

アカマルを天体望遠鏡で観察すると、美しい二重星として見えます。本州付近ではあまり高くなりませんが、機会があれば目を向けて、星座の歴史などを思いながら眺めてみてはいかがでしょうか。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は1月中旬の深夜1時ごろの星空です。2月中旬の23時ごろ、3月中旬の21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります)。

2018年1月中旬 深夜1時ごろの星空

「オリオン座」や「冬の大三角」が南西の空に移りました。真南の空に見えているときとは角度が違うので、印象も異なって見えるかもしれません。

反対に東の空には、「春の大三角」が昇ってきています。春の三角形は明るさこそ冬には及びませんが、カラフルさでは互角、大きさでは勝っています。どちらも街中から肉眼でよく見えるので、見比べてみてください。2つの三角形の間には「かに座」「しし座」などが見えています。また、北東の空の高いところに見える「北斗七星」も見つけてみましょう。

寒いときには動きが鈍くなったり判断力が低下したりします。寒さ対策を万全に、安全面にも注意して、色とりどりの星空観察をお楽しみください。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

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