Nikon Imaging
Japan
At the heart of the image.

2017年9月の星空

暦の上では秋になりましたが、宵のころ天頂付近には「夏の大三角」が大きく広がっています。また、東の空には「秋の四辺形」が高く昇ってきています。
注目の天文現象は明け方の惑星集合。水星・金星・火星が日々位置を変え、互いに近づいたり離れたりする光景が見られます。さらに細い月や1等星も加わり、にぎやかな眺めになります。早起きして惑星たちの共演を観察してみましょう。

星空写真

湘南台文化センター 宇宙劇場にて
プラネタリウムのドームを、わし座のアルタイル、いるか座、こうま座と順番に通っていく。解説員の優しい声で、目立たぬ夏の星々の解説が聞きたい。

2017年7月7日 23時22分
ニコン D800E+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED(58mm、ISO 800、露出8秒×60枚を比較明合成、f/4)
撮影者:鈴木 祐二郎

9月の星空

南の空

南の空

2017年9月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(6日)、上弦(28日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2017年9月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

2日(土) このころ、未明~明け方に金星とプレセペ星団が大接近(「今月の星さがし」で解説)
6日(水) 満月。次の満月は10月6日です
11日(月) このころ、明け方に水星とレグルスが大接近
12日(火) 水星が西方最大離角(明け方の東の低空に見えています)
深夜~翌13日明け方、月とアルデバランが大接近
13日(水) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星がよく見えます)
17日(日) このころ、明け方に水星と火星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
18日(月) 未明~明け方、細い月と金星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
19日(火) 明け方、細い月と水星、火星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
20日(水) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星がよく見えます)
このころ、未明~明け方に金星とレグルスが大接近(「今月の星さがし」で解説)
22日(金) 夕方、細い月と木星が接近
23日(土) 秋分
27日(水) 夕方~宵、月と土星が接近
28日(木) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)

9月の惑星

水星

中旬ごろから、明け方の東の低空に見えるようになります。日の出30分前(東京で朝5時ごろ)の高度は約10度前後(腕を伸ばして握りこぶし1個分の幅)と、あまり太陽から離れない水星としてはかなり好条件で、今年の明け方に見える水星としては最も見やすいものです。

見やすいとはいっても、やはり相当低いので、地平線近くまで見晴らしが良いところで探してみましょう。スマートフォンのアプリなどで位置を確かめ、双眼鏡を使うと見つけやすくなります。また、やや離れていますが金星も良い目印になります。

11日ごろに「しし座」の1等星レグルスと大接近するほか、17日前後に火星と大接近、19日に月齢28のごく細い月と大接近と、様々な天体との接近が見られます。「今月の星さがし」を参考に、早起きして観察や撮影を楽しみましょう。

金星

明け方の東の空に見えます。日の出1時間前(東京で朝4時半ごろ)の高度は15度ほどと低めですが、マイナス4等級と明るく目立つので、建物などに隠されなければ見つけられるでしょう。金星より低いところには水星や火星も見えており、これらの惑星を見つける目印にもなります。

2日ごろに「かに座」のプレセペ星団のすぐそばを通り過ぎていきます。金星に双眼鏡を向けると、近くに星々が集まっている光景が見られます。「今月の星さがし」で見え方のイメージをつかんで、実際の空でも眺めてみましょう。

9月の後半には、18日の未明から明け方に月齢27の細い月と大接近します。様々な天体同士の接近現象のなかでも、金星と細い月の共演は随一の美しさと呼べるものです。「今月の星さがし」を参考に、早起きして観察してみてください。また、20日ごろに起こる「しし座」の1等星レグルスとの大接近も見ものです。明けの明星がいろいろな天体と見せる共演を、ぜひお楽しみください。

火星

10日ごろから、明け方の東の低空に見えるようになります。明るさは約1.8等級で、明け方の空の中では見つけにくいかもしれません。双眼鏡を使って探すとわかりやすいでしょう。

17日前後に水星と大接近、19日に月齢28のごく細い月と大接近します。また月末からは金星と並ぶようになり、来月上旬ごろに大接近します。火星単独ではわかりにくくても、金星など他の明るい天体を目印にすれば見つけやすくなるので、「今月の星さがし」を参考にしてぜひ探してみてください。

木星

「おとめ座」にあり、1等星スピカと並んでいます。日没のころ(東京で夕方6時ごろ)に西の低空に見え、その1時間後には沈みます。明るさは約マイナス1.7等級です。

低いので天体望遠鏡での観察には向いていません。22日の夕方に月齢2の細い月と接近するのを、肉眼や双眼鏡で眺めてみましょう。地上風景を入れた写真撮影もお勧めです。

土星

「へびつかい座」にあります。夜7時ごろに南西の空に見え、夜10時半ごろに沈みます。明るさは約0.2等級です。

観察シーズンの終盤になり、比較的早い時間帯のうちに低くなってしまいます。天体望遠鏡で見る場合には、空が暗くなってきたら早めに観察しましょう。幅の広い環がよく見えます。

27日の夕方から宵に上弦前の月と接近します。こちらは肉眼や双眼鏡で眺めて楽しみましょう。

今月の星さがし

先月に続いて明け方に注目の天文現象が起こります。明るく輝く明けの明星の金星と、水星・火星・細い月・1等星や星団が接近して見え、美しい光景が楽しめます。早起きしてご覧ください。

2日ごろ、金星がプレセペ星団に接近

明けの明星として夜明け前の東の空に輝いている金星の見ごろが続いています。夏に比べると高度が下がってきていますが、夏より夜明けが遅いので今月もまだ見やすいです。

金星は、7月には「おうし座」、その後8月下旬ごろまでは「ふたご座」と、誕生日の星座を順番に動いてきました。そして8月下旬から今月上旬までは「ふたご座」の隣の「かに座」を動き、その「かに座」の中央にある星の集団、プレセペ星団と大接近して見えます。

9月2日 朝4時(場所は東京)の東の空の様子。囲み内はクローズアップ(直径7度、標準的な双眼鏡の視野)

プレセペ星団は、空の条件が良いところであれば肉眼でもぼんやりと見えるほど明るく見やすい星団ですが、金星と並ぶということは夜明けのころ低空にあるという条件なので、肉眼で見るのは難しそうです。そこで、観察には双眼鏡を使うのがお勧めです。金星とプレセペ星団が最接近する2日の前後数日間は、金星と星団が双眼鏡の同一視野内に見えるので、双眼鏡を金星に向けさえすれば、その左のほうに暗めの星が10~20個ほど集まっている光景を見ることができるでしょう。星団の星々と控えめな輝きと金星の圧倒的な光との対比も面白く感じられます。

空が明るくなっていくにつれて、プレセペ星団の星々は少しずつ見えなくなっていきます。金星を目印に星団を探し、「双眼鏡の中で星が消えていく」眺めを、ぜひ体験してみてください。

中旬~下旬にかけて、水星・金星・火星・細い月などが互いに接近

上旬に「かに座」にあった金星は、中旬以降その隣の「しし座」へと移ります。その「しし座」には水星と火星があり、来月上旬ごろまで3惑星が互いに近づいたり離れたりと忙しく動き回ります。さらに、細い月や「しし座」の1等星レグルスもその接近のなかに加わり、肉眼で見える明るい天体が夜明けの東の空に大集合します。

9月17日から19日まで、朝の4時半(場所は東京)の東の空の様子。囲み内はクローズアップ(17日の大きさは0.5度=満月の大きさのイメージ/18日と19日は3度=20倍程度のフィールドスコープで見える範囲のイメージ)。線は10度(腕を伸ばしてこぶし約1個分)間隔。広角図では月は大きく描いている

まず、見やすい金星と他の天体の接近を紹介しましょう。18日には、金星と月齢27の細い月が大接近して見えます。これを見るだけのために早起きする価値があるといっても良いくらいの、とても美しい光景です。4時から5時ごろに東の空を眺めてみてください。肉眼でもよく見えますが、双眼鏡を使えば月の暗いほうがぼんやりと見える地球照も見やすくなるでしょう。朝の風景と一緒に写真に収めるのもお勧めです。

また、18日には金星と細い月の下にも明るめの星が見えますが、これが「しし座」のレグルスです。金星とレグルスは20日ごろに最接近しますので、こちらにも注目してみましょう。前後数日間で金星とレグルスの並び方(位置関係)が変化していく様子も見ものです。

この金星やレグルスの下のほうに、残りの2惑星、水星と火星があります。金星ほどは明るくなく、地平線に近いこともあってやや見つけにくいのですが、金星を目印として探してみましょう。とくに火星はほぼ2等級と明け方の空で探すにはやや難しい明るさなので、双眼鏡を使って探すのがお勧めです。水星はマイナス0.5級前後なので、火星よりは見つけやすいはずです(ちなみにレグルスは1.4等級です)。

水星と火星は17日に最接近しますが、このときの見かけの間隔は満月の見かけの8分の1ほどしかなく、肉眼ではほぼ一つの星のように見えるかもしれません。惑星同士の接近はそれほど珍しくはありませんが、今回ほどの大接近はなかなかないので、ぜひ観察しておきたいところです。

水星と火星の接近は17日の前後数日間は見られますが、とくに19日にはこの2惑星の間に月齢28の極細の月が入ってきて3天体の大接近が起こります。前日18日の「月と金星」と共に、この朝の集合も必見です。新月前日とあって月もかなり見えにくいので、まずは金星を見つけてからその下へと視点を動かして月・水星・火星を見つけましょう。

下旬以降は水星は低くなりますが、火星は反対に高くなっていき金星との間隔を縮め、来月上旬にこの2惑星が大接近します。下旬には火星と金星が近づいていく様子も確かめてみましょう。

3惑星が月やレグルスと共に日々並び方を変えていく様子は、とても面白く印象的な光景です。金星を中心とした明け方の美しい天体共演を、ぜひ早起きしてご覧ください。

今月の星座

いるか座、こうま座

9月中旬の夜9時ごろ、夏の大三角が南西の空の高いところに見えています。その夏の大三角からやや東寄りに、「いるか座」「こうま座」が位置しています。

「夏の大三角」と「いるか座」「こうま座」。大きい円は標準的な双眼鏡で見える範囲

先月ご紹介した「こぎつね座」「や座」と同様に「いるか座」「こうま座」も小さい星座で、主な星々は双眼鏡の視野の中に収まってしまうほどのコンパクトさです、とくに「こうま座」は全天88星座のうち小さいほうから数えて2番目の星座です。また、「いるか座」「こうま座」には(「こぎつね座」「や座」と同様に)3.5等級より暗い星しかないので、街明かりがあるような場所からではほとんど見えません。

位置の見当としては、夏の大三角の一角である「わし座」の1等星アルタイルと、「ペガスス座」の2等星エニフの間あたりと覚えておくとよいでしょう。どちらの星座もかわいい形をしていますが、とくに「いるか座」は星をつなぐと「いるかがジャンプ」しているようなイメージに見えるので、小さく暗いながらも人気のある星座です。高く昇っているときであれば街明かりの影響も小さくなり少し見やすくなるので、双眼鏡を使って、ぜひ両星座を見つけ出してみましょう。

二重星いるか座ガンマ

「いるか座」の顔先に位置するγ(ガンマ)星は、オレンジと白の星が並んだ二重星です。倍率をやや高くした天体望遠鏡で観察すると、微妙な明るさの違いや美しい色の対比が楽しめます。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は9月中旬の深夜1時ごろの星空です。10月中旬の23時ごろ、11月中旬の21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります/惑星は少し動きます)。

2017年9月中旬 深夜1時ごろの星空

西の低空に「夏の大三角」が、東の空には「おうし座」や「オリオン座」が見えています。その間、南西から南東には、フォーマルハウト以外に明るい星が見当たりません。見つけやすい惑星もなく、少し寂しい印象を受ける星空です。

頭の真上近くに見えるのは、天馬ペガススの胴体にあたる大きな四角形「秋の四辺形」です。4つの星のうち3つは2等星なので、街中でもよく見えます。また、北の空の高いところに昇っている「カシオペヤ座」も、W字を作る5つの星のうち3つは2等星で、これも目立ちます。1等星こそ少ないものの、2等星は意外と多く輝いています。いくつ見えるか、数えてみましょう。

昼は暑さが残る日もありますが、深夜にはやや肌寒さが感じられる季節になりました。先月に続き今月も、未明から明け方に見ものの天文現象が多くなっています。風邪をひいたり体調を崩したりしないようにお気をつけて、星空観察をお楽しみください。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

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