Nikon Imaging
Japan
At the heart of the image.

vol.12 Vincent Munier ヴァンサン・ミュニエ

Vincent Munier

「自然界との懸け橋として」

ワイルドライフ/ネイチャー(フランス)

自然への愛情は子供時代から

私は、手つかずの大自然にいつも魅力を感じてきました。実際に子供のころから、こうした場所とそこに住む生き物たちの写真を撮ってきました。自然は、私にとって病みつきになるような魅力を持っており、いつも触れていなければ気がすまないのです。そのために、フォトグラファーのキャリアを構築してきたといっても過言ではありません。フォトグラファーなら、こうした場所に行き、その経験を人に伝えることで生計を立てることができるからです。父のおかげで、小さいころから自然への尊敬の念を育み、成長するにつれてその気持ちはさらに強くなってきました。父は「自然を愛せよ、でもその秩序を乱すな」と教えてくれました。自然はもろいので、人間は簡単にかき乱し、時には破壊してしまいます。大自然の中で撮影する際、私は自分の足跡を最小限に留めるように努めています。

「世界の屋根」での撮影

私は極めて過酷な気象条件の場所に心が惹かれます。氷点下をかなり下回る気温で、何キロも先に行かなければ電話もないような所の方が落ち着きます。ニコンD4の作例撮影は、チベット高原で行いました。「世界の屋根」として知られるチベットは、私がこれまで経験した中で最も厳しい気象条件でした。強風で、天候は予測できないし、気温は零下20度を大きく下回ります。北極や南極でも撮影しましたが、冗談で「第3極」と呼ばれるチベットの環境は、さらに過酷です。こうした気象条件との戦いに加え、高度の問題もあります。海抜4,000~6,000メートルともなると、私を含めチーム全体が高山病独特の吐き気や慢性的な頭痛に悩まされます。そしてチベットは極度に乾燥しており、一部では足を一歩踏み出す度に砂埃が上がります。しかしその景色と、険しい環境で生き延びる生き物たちが実に素晴らしい所なのです。

ニコンD4の性能と信頼性

こうした過酷な撮影には、信頼できる機材が欠かせません。カメラの性能として、どんな状況でも確実に作動することが、私にとっては最も重要です。たった1枚の写真を撮るために、何日も何週間も待つことがあります。狙った瞬間を確実に捉えてくれなければ、雨や雪の中で待つ時間は無駄になります。D4はうれしいことに、そうした撮影をできる性能を備えています。非常に過酷な環境で、簡単に修理を受けることも叶わない条件の中、D4は見事な働きをしてくれました。特にオートフォーカス(AF)機能は速度と精度が一層向上し、感心しました。またf/8でも11点のフォーカスポイントが使えるのは素晴らしく、超望遠レンズとテレコンバーターを組み合わせて撮影するフォトグラファーには、非常に有利になります。感度性能にも驚くべきものがあり、ISO12800の高感度で撮った写真の品質の良さは、信じられないほどでした。こうした性能の向上がなければ、チベット極寒の砂漠での撮影は成功しなかったでしょう。チベットには多くの野生動物が生息していますが、写真に収めるのは困難を極め、自分の身を隠してカメラを構えられる場所も非常に少ないので、超望遠レンズとテレコンバーターは不可欠です。撮影のタイミングも限られているので、決定的瞬間と優れた構図がファインダーの中で一つになったとき、D4が確実にそれを捉えることができると信頼できなければなりません。そしてD4はそういう信頼がおけるカメラであると、自信を持って言えます。

人間界と自然界の隔たり

チベットのような大自然に行くと、私は謙虚な気持ちになります。こうしたことを、現代社会で理解する人は減ってしまいました。われわれ人間が大自然から教わることはまだたくさんあると思いますが、それに耳を傾けようとする人は減るばかりです。フォトグラファーとして私は、自然界の目撃者となって記録し、写真やビデオで、多くの人に同じように目撃者になってもらえるよう、刺激できればと思います。現代社会と自然界には隔たりがあり、それは日に日に拡大しています。この隔たりを埋めるために、私の作品が少しでも役立てばと願っています。

NPSの役割

私は地の果ての極めて過酷な環境で撮影し、被写体は何としてでも私を避けようとするような生き物たちです。撮影のチャンスはとても貴重なので、毎回確実に作動する機材が必要です。修理や部品交換、アドバイスが必要な時、NPS(ニコン・プロフェッショナル・サービス)は必ず助けてくれました。撮影にアクシデントや機材のトラブルはつき物ですが、NPSのお陰で、どんな時でも撮影を継続できるのは素晴らしいことです。まさに何物にも代えがたい関係なのです。

※ NPS(ニコン・プロフェッショナル・サービス)は会員様向けのサービスです。国によって受けられるサービスが異なります。

プロフィール

ヴァンサン・ミュニエは、1976年フランス北東部ヴォージュ県に生まれ、今もこの土地の自然の中で暮らしている。英国BBC放送のWildlife Photographer of the Yearに2000、2001、2002年と連続で選ばれ、フォトグラファーになることを決めた。ナショナル・ジオグラフィック誌をはじめBBC Wildlife Magazine、Paris Match、Géo、Aubdubon Magazineなど、世界中の雑誌に作品を発表している。1990年代初頭から環境保護活動に参加している。