Nikon Imaging
Japan
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vol.10 Corey Rich コリー・リッチ

Corey Rich

「視覚的ストーリーテリングの技と冒険」

アドベンチャー・スポーツ(アメリカ)

本物の経験を記録する

写真を始めたそもそものきっかけも、写真でやりたいことも、私の場合は一貫して、人にストーリーを伝えるということで、特にアドベンチャーに興味を持っています。13歳のとき、週末に初めてロッククライミングに連れて行ってもらいました。私はその経験の全てに魅了されたのですが、本当にやりたかったのは、こうした週末の冒険をいつも一緒に遊んでいる仲間達に伝えることでした。そこで初めて父のカメラを借りて記録し始めたのです。私の人生はこれで一転し、20年以上経った今、フォトグラファー以外にやりたい仕事はありません。
この仕事の素晴らしいことの一つが、自分の撮影するアドベンチャー・スポーツに自分自身も参加できるということです。傍観者として撮影するのではなく、大きな岩の上であろうと、水や雪の中であろうと、私もアスリートと同じ経験をするのです。アドベンチャーとストーリーを伝えることの組み合わせに私の創造力は刺激され、この世界を圧倒的な方法で見せたいと感じるのです。アスリートと同じ風を顔に感じ、同じ蚊に足を刺され、体を濡らし、寒さを感じる必要があります。汗をかき、ある場面では恐怖を感じる。でもそれこそが、つまりその場所に自ら身を置くことこそが私の方法なのです。偽物をこしらえるのではなく、本物を捉えるよう努めるのです。
私が撮影するアスリートの多くは友達でもあるので、仕事に一層大きなやりがいを感じます。共に旅をし、飛行機や列車や車で共に移動する。苦しみも分かち合います。大自然に一緒に入り、一緒に汗をかき、テントを共有し、恐怖を感じるときも一緒です。親しい人たちの経験を共有し、記録できるのは素晴らしい機会であり特権だと思っています。

予測できないことへの情熱

撮影は遠く離れた大自然の中で行うことが多いので、移動だけでほとんどの時間とエネルギーを費やしてしまいます。撮影場所である切り立った崖の壁面や、山頂、氷河の先端に到達すると今度はすぐに頭を切り替え、視覚的な創造性を使ってストーリーを伝えることに集中しなければなりません。気分が乗りにくいこともありますが、心臓が高鳴り始め、汗が目に入り、いよいよ撮影ができると思うとアドレナリンがわき出し、物事がうまく行き始めます。アスリートとしての時間と、リスクを見極めつつ必要な写真や動画を撮り、クリエイティブでいる時間の間を、常に行きつ戻りつしながら撮影を進めます。ダンスのようなこの感覚が大好きです。
予測不可能な要素も私の仕事に大きく影響を及ぼします。天候、場所、日の光、アスリートの身体的、心理的コンディションは常に流動的で、でもそれが私のやる気を刺激するのです。私は次に何が起きるのかを常に予想し、最高のコンディションを祈りながら、最悪の事態にも備えています。それが私の強みであり、クライアントが私を起用するときに期待することなのだと思います。撮影は常に成功しなくてはなりません!写真が撮れなかった言い訳など誰も聞きたくはありません。見たいのは完成品なのです。
出版物や広告用の写真、ウェブサイトやテレビで放送用動画のために、アドベンチャー・スポーツを記録することが私の仕事の中心を形作っています。写真やビデオをビジネスとして始めたわけではありません。表計算データや将来像を描くビジネスプランを作ったことはありません。その代わりに、一つの単純なルールに従ってきました。それは優れたコンテンツを作ることに日々情熱を持ってあたるということです。ストーリーを伝える素晴らしい写真を作ることができれば、利益はついてくるはずです。そしてその通りになったのです。

ニコンD4と動画作品「WHY」

アドベンチャー・フォトグラフィーはあらゆる意味で、発展途上の分野で、その指針さえ固まっていません。この分野では何ができて、どんなことが特徴なのかを自分が始めて示す、そのような段階から貢献でき、非常に幸運に感じています。この分野に起きた最も大きな進化は、静止画と動画がひとつの機材にまとまったということだと思います。もはや、どちらか一方を選ぶ必要はなくなり、フォトグラファーでありながらムービーメーカーにもなれるのです。D4のような機材があれば、静止画と動画両方で素晴らしいものを生み出すことができます。D4の登場で、アドベンチャー・スポーツを記録し、そのストーリーを視覚的に伝える方法は、大きく変わりました。誰もが今や、ひとつの同じ土俵の上に立っているのです。機材の制約を受けることはなくなり、唯一の違いは情熱と創造力、個々人が語るストーリーだけなのです。
ニコンから依頼を受け、D4の性能を存分に示す撮影プロジェクトを受け持つことになったとき、私は自分が情熱を傾ける対象であるストーリーを伝えることと、トップクラスのアスリートと、アドベンチャーを結びつけた作品を作りたいと考えました。「WHY」と名付けた動画作品のコンセプトは、ここから生まれたのです。この作品で私は「アドベンチャー・スポーツの最高のアスリート達を突き動かすものは何か?」「彼らが来る日も来る日も限界に挑むのは何故か?」を問いました。静止画と動画でこのストーリーを語るのに、D4はまさに必要な機材でした。D4の新しい機能のお陰で、今までにない形でアスリート達を撮影することができました。(このムービーで)デイン・ジャクソンが18メートル超の高さから滝をカヤックで滑り降りる場面は、秒速60コマのスローモーションで撮影しました。レベッカ・ラッシュが、荒涼とした砂漠地帯をマウンテンバイクで疾走する場面は、「1080クロップ」モードで焦点距離を2.7倍にし、ぐっと近寄ることができました。アスリートのインタビューも、音声をモニターしながら撮影できました。この3つはどれもD4の素晴らしいムービー機能です。しかし根本的には、私のヒーローであるアドベンチャー・スポーツのアスリートたちと、ロケに繰り出し、彼らの頭の中まで覗き込んだことが最も魅力的だったのです。

※ D4のDムービーでは作画意図に応じて3つの撮像範囲が選択でき、このうち「1080クロップ」は、FXベース動画フォーマット時、焦点距離の約2.7倍に相当する画角になり、画質面でもディテールに富んだ高画質の映像が得られる。

NPSは真のパートナー

撮影では、機材を極限状態に追い込みます。遠く離れた場所で、悪天候の中、岩の上でカメラを引きずったり、雨や雪や埃にさらしてしまいます。頼りにできるものが少ない中で、NPS(ニコン・プロフェッショナル・サービス)が常に私を救ってくれることを一つの拠り所にしています。私が撮影を続けられるように、世界の果てまでカメラを送ってくれたこともありますし、電話で質問に答えてくれたこともあります。野生の自然の中から衛星電話でNPSに電話をかけた時は、私もそれなりに負担しましたが。
アドベンチャー・フォトグラファーとして私は、「アドベンチャー族」と「フォトグラファー族」の2つの種族に所属しているように感じています。NPSの基盤は本物のフォトグラファーによって形成されており、彼らもフォトグラファー族の一員です。NPSは優れた視覚芸術、静止画、動画の創造に多大な情熱を持っています。だからこそNPSとは同じ言葉で話しができるのです。私のようなフォトグラファーにとって、NPSはただのサービス提供者ではなく、真のパートナーなのです。

※ NPS(ニコン・プロフェッショナル・サービス)は会員様向けのサービスです。国によって受けられるサービスが異なります。

プロフィール

コリー・リッチが、雪の大地や渓流、巨大な岩といった自然を相手にするアドベンチャー・スポーツの世界に足を踏み入れたのは20年以上前。その後アドベンチャー・スポーツが注目を集めるにつれ、同分野において数々の有名人のストーリーを伝えてきた。ナショナル・ジオグラフィック・アドベンチャー、スポーツ・イラストレイテッド、アウトサイド、ニューヨーク・タイムズ・マガジンなどの雑誌の依頼で、大自然を舞台に、世界中で行われるアドベンチャー・スポーツの最前線から、見る人を圧倒する写真を届けてきた。またビールやスポーツ関連用品、アウトドア用品、電子機器など、世界的な大手メーカーによる、数億円規模の広告キャンペーンにも写真を提供している。アメリカ・カリフォルニア州サウス・レイク・タホ在住。

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