Nikon Imaging
Japan
At the heart of the image.

vol.18 重ねた歴史と先端技術の結晶。NIKKORレンズ

広角から超望遠まで、あらゆるシーンに高性能を発揮する最新レンズ群。

1933年の航空写真用レンズ「Aero-Nikkor」発売から、今年で80周年。その間「NIKKOR」はレンズのトップブランドとして、多くの写真家の方々に愛されてきました。そして今も技術革新の歩みを止めること無く、さらなる高みを目指し進化を続けています。
今回インタビューに登場いただいた写真家は中野耕志氏。野鳥や航空機の撮影を専門とする中野氏にとって、500mmの超望遠が「標準」レンズ。12年ぶりのリニューアルとなった80-400mm f/4.5-5.6や、NIKKOR・AF望遠レンズとして最長の800mm f/5.6を中心に、最新のニッコールレンズの性能を、作品を元に解説頂きました。
さらにD7100カタログ撮影時に感じた最新DX機のポテンシャル、また中野氏が他社カメラからニコンへ移行した理由などについても伺っています。

1. プロのツールとして信頼の厚いニコン。

専門プロの少ない、野鳥や飛行機撮影の世界。

中野耕志 オフィシャルサイト『写真家 中野耕志 / Strix Photography.com』新しいウィンドウで開きます

もともと写真家を目指されていたのですか?

いえ、最初はパイロットになりたかったのです。高校生の時、飛行機に乗りたくて自衛官を目指したのですが入隊かなわず、大学に進路変更をします。
同時に昔から写真を撮るのも好きで、小学生の時は電車や飛行機、中学生の頃からは鳥や風景などにも関心を持ち撮影していました。そのようなわけで、せっかくなら自然を学べる学校に行きたいと考え、東京農業大学へ進みました。

大学生の頃からプロとして活動されていたとか?

学生時代から、フォトライブラリーに写真を預けるようになりまして…。中高生の時には応募したフォトコンテストで入賞していたこともあり、既に作品の蓄積があったのです。
大学卒業後も、引き続き主に野鳥や飛行機を撮影するフリーの写真家として活動をしています。

野鳥や飛行機を撮影する方はよく見かけますが、プロの方も多いのでしょうか?

このような撮影を専門としているプロは、意外と少ないのです。仕事としては、かなり需要が限られているからでしょう。しかも取材には手間も時間もお金もかかり、決して楽なジャンルとは言えません。
途中、私も一度、就職をしたことがあります。業界的には、フィルムからデジタルへ大きく移り変わる時期でした。そこで感じたのは、仕事の速度の変化。そのスピードに個人で対応するのが難しかったこともあります。
1年半ほど航空写真を撮る会社に在籍していました。しかし、やはり自分の目指している方向性とは違うと感じ、またフリーランスへ戻って今に至るわけです。

ロードレースの撮影もなさっていませんか?

従兄弟の中野真矢がロードレースの最高峰であるMotoGPに出ていたこともあり、一時期バイクレースも撮っていました。
しかしレース写真は写真家が多く、いきなり一線で活躍することが難しい世界。また、何でも撮れるのは一つの強みではありますが、あまり手を広げると専門性が弱くなってしまいます。集中した方が良いだろうと思い、今では基本的に飛ぶものに焦点を当てています。

ニコンに乗り換えたわけ。

Nikon D4
Nikon D3S
Nikon D800E
Nikon D7100

普段お使いのカメラは何でしょう?

D800EとD4を使っています。メインはD800Eです。鳥や飛行機の撮影では、少しでも大きく写したいのでクロップできることが重要なポイントなのですが、D4はクロップすると画素数に余裕がなくなりますので…。
それになんといっても解像感。これはD800Eの独壇場ですね。

今回、D7100のカタログ写真を撮影されたそうですが、D7100はいかがでしたか?

こちらも良いカメラでしたよ。現在DXフォーマットの事実上の最上位機種だけあって、D7000からかなり性能に磨きがかかっています。私としては、やはりクロップ機能が嬉しい。FXフォーマットの約1.5倍の画角に加え1.3xクロップも使えますから、FXの2倍近い焦点距離での撮影が可能です。有効画素数も2410万画素ですので、クロップしても1500万画素は確保できます。
さらにローパスフィルターを搭載していないため、描写も精細。
51点のAFシステムなど上位機種に近い性能も搭載していますし、この価格でよくここまで頑張ったなと思います。
D7000も良いカメラでしたが、ピントの精度も全く違いました。

ところで、ニコンは以前からお使いだったのでしょうか?

ニコンのカメラも使ってはいましたが、メインは他社カメラでした。
仕事でNikon F4と800mm f/5.6のレンズを使ったこともあったのですが、このレンズが約6kg、カメラと合わせると約7kg。特に前玉が非常に重くてバランスをとるのが難しく、当時は十分に使いこなせませんでした。
ニコンのデジタル一眼レフカメラをメインシステムとして使い始めたのは、半年くらい前からでしょうか。
D3Sが出た頃に、カメラ雑誌でインプレッション記事を書くという話がありました。D3Sと500mmのレンズを借りて使ってみたところ、印象が非常に良かったのです。
それから真剣に移行を考えるようになりました。

どのような点が気に入られましたか?

私はもともと、カメラそのものに強い思い入れがある人間ではありません。ただ、D3やD3Sには何か惹かれるものがありました。Nikon F3の頃のカメラに通じる、プロダクトとしての魅力とでも言うのでしょうか。今の時代、珍しいカメラだと思います。

しかし乗り換えるのには、不安などもあったのではないですか?

標準的なレンズはもちろん、超望遠レンズも既に揃っていたわけで、そこから乗り換えるのはかなりの決断が必要です。実はそれまでも何度かニコンに変えようと思ったことはあったのですが、そのたびに躊躇していました。
しかし2012年に、いよいよ乗り換えを真剣に考えるようになり、D3SとD300S、標準・望遠のレンズもひと通り本気で試してみたのです。
2週間もの間、ニコンのカメラだけで仕事をしてみました。少し不安はあったのですが、問題なく扱えたので移行を決意しました。

自衛隊からも信頼されているニコン。

Nikon D800E
AF-S NIKKOR 500mm f/4G ED VR
f11 1/500秒 ISO100
海上自衛隊の訓練支援艦から撮影。

乗り換えるにあたり、具体的な決意のポイントなどはありましたか?

ちょうどカメラを買い換えるタイミングでもあったのですが、D800Eの1.2xクロップがこれまで馴染んでいた画角に近いということもあり、これも大きなポイントとなりました。もちろんD800Eの並外れた解像感、それからレンズのキレも気に入りましたし…。
また、実は以前他社のカメラで、仕事中に不具合が何度かあったのです。海外、しかも山岳地帯でトラブルが起きた時は大変困りました。
信頼性においてもニコンは定評がありますし、その点でも使ってみたいと思いました。

※「1.2xクロップ」についてはこちらをご覧下さい。

信頼性という点で、具体的なエピソードなどはありますか?

そうですね。私が関わるジャンルの話をしますと、少し特殊ではありますが軍用機を撮る人の間ではニコンは絶大な信頼があります。
まず、ニコンのカメラは電磁波の影響を受けにくい。
航空機撮影の仕事をしていると、空母の上で撮影などということもあります。しかし空母上は強力な電磁波が飛び交っており、それがカメラに影響を及ぼします。例えば無線やレーダーの影響を受け、撮影写真にノイズが入るなど…。フィルム時代、他社カメラでは自動的にフィルムが巻き戻ってしまうなどのトラブルもあったと聞きました。
さらにニコンのカメラは、余計な電波を出さないと言われています。飛行機に写真家が同乗すると、カメラの出す電波により無線にノイズが乗るといったことも起こるのですが、ニコンにはそれが無い。だからニコンのカメラはOKでも、他社のカメラを使う写真家は乗せられないといったこともあるようです。
ニコンのカメラは、このような特殊な基準もクリアしていると言えます。

Nikon D4
AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR
f4 1/500秒 ISO200

ニコンのレンズについてはいかがでしょうか?

なんといってもナノクリスタルコートですね。非常に素晴らしい技術です。とにかく逆光に強い。
これまで強い光源のある夜景や太陽を入れた撮影を行うと、まず間違いなくフレアやゴーストが出ていました。そのため撮影アングルが制限されてしまっていたのです。
それがナノクリスタルコートのレンズを使うようになってから、そのようなことをほとんど気にかけずに撮れるようになった。光の状態を自分でコントロールしたり、選んだりすることが難しい私達のような写真家にとっては心強いレンズです。

※「ナノクリスタルコート」についてはこちらをご覧下さい。