Nikon Imaging
Japan
At the heart of the image.

山下 大祐

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インタビュー

夕暮れ時の風景の中に列車のライトだけが光ってみえるもの、各地の保存車両をスローシャッターで撮影したもの……。今回軌跡で掲載したのは、さまざまな表現方法を用いて今までに撮りためてきた作品です。 僕は1枚の写真を作り込んで撮るのが好きで、撮影場所に行ったときにひらめいたこと、自分の視点、それをどう作品として表現したら良いのかを考え、1枚にじっくりと時間をかけて撮るんです。

たとえばスピードライトを用いて鉄道風景を撮るというシリーズ。背景は夕暮れの暗い状態のまま、スピードライトを当てている部分を適正露出で写しています。写された風景の中で世界がねじれているような不思議な感じを出したくて、何度もスピードライトの位置を調整し時間をかけて撮影しています。 またこんなイメージの写真が撮りたいと思いついたときには、そのシーンに偶然出会うまで待つということはしません。思い描いたイメージをより良い形で残すために演出しておいてからスナップ風に撮影するという手法をとっています。たとえば駅にいる人たちをスナップした作品も、近くにいた方に声をかけてこの位置でこんなポーズをして欲しいとお願いをしてから撮影したものなんです。

実は僕は、被写体にする鉄道車両の選り好みはほとんどしません。それよりもその鉄道が走っている人気のない広大な場所、雄大な山並みを背にした場所、海岸沿いギリギリの切り立った岩場などのロケーションやスケール感に魅力を感じるんです。もちろん鉄道写真家として車両の知識も必要ですが、その車両がどんな場所を走っているのか、保存車両であればどんな場所に置いてあるのか、それが自分の作品づくりにおいてはとても大切なんです。

鉄道写真は世の中にたくさんありますし、有名な撮影スポットもたくさんあります。そんななかで自分はどう撮るのか、どう自分の色を出すのかを考えるのは毎回苦心しますが、他にあまり見ないような写真が撮れたかなと思えたときには喜びを感じます。 「鉄道写真」というジャンルはとても奥の深いテーマだと思います。その枠の中だけでもきっといろいろな表現方法がある。今後も僕はこの「鉄道写真」という枠の中で、作品を撮り続けていきたいと思います。

プロフィール

山下 大祐 (ヤマシタ ダイスケ)

1987年兵庫県出身。日本大学芸術学部写真学科卒業後、ロケアシスタントをしながらwebや雑誌、学校写真等の撮影をする。2014年からレイルマンフォトオフィス所属。鉄道誌、カレンダー、鉄道資料の撮影、鉄道写真講師で活動する中、自らの作品づくりに注力している。日本鉄道写真作家協会会員。