
- 講師:福渡雅子
早春の庭に咲く玉縄桜は淡く優しい色だった
今年は年明けから気温が低くなり、東京も久しぶりにきりっと寒い冬になりました。だからなおさら、「♪春よ来い、早く来い♪」と心がはやります。
本格的な春の到来を感じさせる花といえば、やはりサクラでしょうか。神奈川県鎌倉市の神奈川県立フラワーセンター大船植物園(略称:フラワーセンター)には、ソメイヨシノのような淡く優しい色あいの早咲きのサクラ「玉縄桜」があるという情報をキャッチしました。
そこで2月下旬、D7000を片手に一足早い観桜に行ってきました! 園内にある「観賞温室」にはビビッドカラーの花々も咲き乱れていましたよ。
今回の案内役は福渡雅子先生です。皆さまも鎌倉発「早春のサクラと旬の花々のコラボレーション」を一緒にお楽しみいただければと思います。
フラワーセンター入園口の前で
JR大船駅西口からのんびりと15分ほど歩くと、敷地面積6万3400平方メートルのフラワーセンターに到着します。この植物園には内外から収集された約5000種の植物が植えられ、1年を通して花が見られる“いつ行っても旬”のスポットとして名をはせています。園内には花をテーマにしたドーナツ型の観賞温室もあり、1300種の熱帯・亜熱帯の鮮やかな花々の競演を楽しむことができます。

- スイレンの池を中心にした回遊式庭園もある

- ソテツが出迎えてくれる温室の入り口付近で

- 温室内の通路はたっぷりの花々に囲まれている
では、フラワーセンターの歴史を遡ってみましょう。1962年、神奈川県農事試験場の跡地に「神奈川県内の観賞植物の生産振興と花き園芸の普及」を目的に開設されました。神奈川県は切り花や鉢物などの栽培が大変盛んで、生産農家を支える役割を担っていたわけです。当時、このような施設は全国的にも珍しく、さらに一般公開されたとあって大勢の人が訪れたそうです。
時代と共に園の役割も変わり、今では「緑に親しみながら花き園芸への関心を高める施設」として、園芸ファンを惹きつけています。特に有名なのはシャクヤク(見頃:5月上旬~中旬)とハナショウブ(6月)、バラ(5月中旬~7月上旬・10月中旬~11月中旬)、シャクナゲ(4月)です。
早春のフラワーセンターではウメ、マンサク、ボタン、パンジーなどが美しい花を咲かせています。でも、この時季の園内の“女王”は何と言ってもサクラでしょう。サクラの品種が非常に多く植えられているので、例年1月からゴールデンウィーク前まで各品種がバトンタッチしながら開花してゆきます。私たちが伺った日には、フラワーセンターで生まれた玉縄桜が三分咲きでした。原木の回りに集まったカメラファンたちは、一足早い“春の使い”に、歓声を上げながらシャッターを切っていましたよ。

- 一足早い春を記録する福渡先生

- マンサク

- ボタン
古都鎌倉には花が美しい寺社がたくさんあります。フラワーセンターを楽しんだあとは、お寺巡りをするのもいいですね。皆さまもカメラ片手に、春の花を愛でる休日をお過ごしになってみてはいかがでしょうか。

- パンジー

- ウメ
フラワーセンターの自慢はシャクヤクです。200品種、2000株と、その数は日本一を誇っており、5月上旬から中旬にかけて「しゃくやく園」には数万本の花が咲き誇ります。
日本一には理由があります。この園が農事試験場だった当時、輸出を目的として欧米人好みの大型の花が咲くシュクヤクの品種改良を行っていたからです。約700種が作出されたという記録が残っており、それらの品種群は「大船系」と呼ばれました。明治から昭和にかけて、大船系のシャクヤクは横浜港から輸出されて日本の外貨獲得に貢献しました。
ところが太平洋戦争が起こると、食糧増産が奨励されるなどして多くの品種が失われてしまいます。幸運にも生き残った約150種は、今もフラワーセンターで大切に保存栽培されています。
大船系は華やかな花をつけます。「これがシャクヤクなの?」と驚くような個性的な花もあります。シャクヤクの見頃には、是非足を運んでください。素敵な写真が撮れると思いますよ。

- 玉縄の誇

- さきがけ

- ようやく芽吹き始めた「面影」。大船系の花だ
早咲きのサクラというと、河津桜やあたみ桜といったカンヒザクラの性質を受け継いだ濃いピンクの花色を想像されるのではないでしょうか。でも、フラワーセンターで誕生した玉縄桜は淡く優しいピンク色です。このサクラはソメイヨシノの偶然実生を選抜育成した品種だからです。
40年ほど前にソメイヨシノの種子を育てている際、発芽が半月ほど早い苗を発見しました。それを育成すると、1974年に初めて花が咲きました。ソメイヨシノに似た花が、ソメイヨシノよりも20日ほど早く咲いたのです。おまけに、見頃が1カ月間も続くという優れた特性を持つサクラでした。
そこでフラワーセンターは、1990年4月に種苗登録しました。品種名はかつてこの地にあった北条早雲築城の玉縄城にちなんでいます。
近年、早咲きのサクラ人気が高まってきました。そこでフラワーセンターは、玉縄桜を普及させるために種苗登録を消失させます。そのおかげで、誰もが自由に玉縄桜を増殖させることができるようになったのです。
現在、市民団体が中心となって挿し木による苗木作りと、鎌倉市内などに苗木を移植する活動を進めています。「地域の宝」「地域のシンボル」として玉縄桜を増やしてゆくそうです。
すでに鶴岡八幡宮の段葛に5本、鎌倉文学館に2本など観光地にも植えられています。早春に鎌倉を訪れたら、どこかでフラワーセンターがルーツの玉縄桜に出会えるかもしれませんよ。

- 玉縄桜の原木。三分咲きの枝を広げて本格的な春を待つ

- ソメイヨシノのような淡く優しいピンク色
取材協力:神奈川県立フラワーセンター大船植物園 247-0072 神奈川県鎌倉市岡本1018

- 「このハイビスカス、ステキな色ですね」
フラワーセンターの観賞温室では、造形が美しいビビッドカラーのお花が咲き乱れ、南国育ちの花の魅力を再認識しました。
そこで今回は、観賞温室と温室に囲まれたオーストラリア園で出会った花の中で、比較的手間をかけずに庭で育てられる、そして私の大好きな花を咲かせる2種を紹介しましょう。
メキシコ原産の植物で、花のように見える赤褐色の苞の先端から白い花を咲かせます。花は長持ちしませんが、苞はとても長持ちします。重なり合った苞の姿から、コエビソウという名がつきました。確かに、エビのしっぽのように見えますね。黄色の苞を持つ品種もあります。最近、都内の住宅街でも見かけるようになりました。

- 茹でたエビのように見える。先端の白い部分が花
花は季節に関係なく15℃以上あれば咲き続けます。熱帯の植物ではありますが、霜にあてなければ関東地方の南部でも冬越しできるでしょう。
植え付けは4月~9月までに。日なたから半日陰に、堆肥や腐葉土などをたっぷりとすき込んでから植えます。開花中は肥料を多く必要としますから、窒素・リン酸・カリが等量の肥料を置き肥しましょう。肥料切れに注意が必要です。
水やりは、雨が降らずに土が乾燥したら与える程度でいいでしょう。
オーストラリア南部とタスマニア島原産で、熱帯から温帯に分布する常緑高木です。関東以南なら冬越しが可能で、2月~4月頃に華やかな黄色の花を咲かせます。アクセントツリーとして庭に植えるといいでしょう。香りが良いのも魅力です。切り花や春のリースの材料としても重宝する、楽しみ方が多い木といえます。

- ポンポンのような小さな花を総状花序につける
日当たりと水はけの良い場所に植えます。移植を嫌いますので、木の成長を考えて広い空間のある場所を選びましょう。粘土質の場所に植えると根の張りが悪く、強風で倒れてしまうことがあります。肥料はかなり控えめにした方がよく育ちます。
成長が早いので育てて楽しい木ですが、定期的に剪定をしないと樹形が乱れます。花後すぐの4月に樹高を決めて主幹を切り、側枝を間引くように切りつめましょう。徒長枝は6月に剪定します。遅れると花芽を落としてしまうので注意してください。

- 春のリースの材料に。まばゆい黄色が玄関を明るくする
フラワーセンターでは主に、中級者向けの機種・D7000で撮影しました。多彩な先進機能が搭載されていながら小型ボディで、初心者でも使いやすく設計されたDXフォーマットデジタル一眼レフカメラです。
D7000は、「花々の美しさを質感までナチュラルに表現する」、「野鳥などの動きのある被写体も的確に捉える」、「逆光でも適度なコントラストを保って見た目に近い明るさを再現する」など描写力が際立つ機種です。作動の早さも兼ね備えているので快適に撮影を楽しむことができます。
ボディ上面と背面には軽量で堅牢なマグネシウム合金カバーが採用され、さらに接合部には効果的なシーリングが施されているので防塵・防滴性能が高いというメリットも。天候が変わりやすい山や高原で植物の撮影をする時には頼りになるカメラだといえます。
撮りたい花を、素早く、狙い通りに美しく撮れるD7000の3つの特長をご紹介しましょう。

- 「D7000は金属ボディだから、感触が固いですね。プロになったような気分です」と福渡先生
有効画素数は約16.2メガピクセル。撮像素子には新開発のニコンDXフォーマットCMOSセンサーを採用したことで、高精細な描写力と豊かな階調表現が生まれました。
さらに新画像処理エンジン「EXPEED 2」の搭載により、更なる高度なノイズ低減、色再現性の向上、優れた高速画像処理などを実現しました。
撮像感度はISO 100~6400と広範囲で、映像表現の幅もぐっと広がっています。
これらの贅沢な機能を備えたD7000で撮影した映像をご覧ください。
AFセンサーには39のフォーカスポイントを持つ新開発のマルチCAM4800DXオートフォーカスセンサーモジュールを搭載しています。
小さな被写体を的確に把握し、一段と高い被写体追尾・捕捉機能を発揮します。さらに、中央部9点にはクロスタイプセンサーを採用したことで高い被写体捕捉性能と合焦性能を実現しました。
39点のフォーカスポイントすべてを使って動く被写体を追尾する3D-トラッキングと、39点すべてのフォーカスポイントを使ってカメラが自動的に主要被写体を判別してピントを合わせるオートエリアAFでの撮影をしてみました。
撮影後の画像は、パソコンを使うことなくカメラだけで簡単に編集できます。ミニチュア効果、フィルター効果、塗り絵やアオリ効果など多彩なメニューが搭載されています。
編集後の画像は元画像とは別に、新しいファイルとして保存されますから、いろいろ試してみると楽しいですよ。撮影帰りの電車やバスの中で、カメラ仲間と楽しむのも一興です。

- 画像編集を楽しむ福渡先生
傾き補正
撮っている時には意外に気がつかないのが画像の傾きです。傾いて写ってしまった画像は、±5°の範囲で水平に補正できます。
|
|
|
カラースケッチ【NEW】
スケッチ風画像に編集するのもお手のもの。色の濃さ、線の濃さを3段階で調節できます。
|
|
|
魚眼編集
魚眼レンズがなくとも、ほら、この通り! 個性的で楽しい画像になりますね。
|
|
|

























