
- 講師:福渡雅子
愛機と一緒に南房総市に行こう!
1年で最も冷え込む2月はガーデニングの作業も一休みです。春に咲かせる草花のカタログや園芸雑誌を眺めたり、庭の年間作業計画を立てたりする“冬ごもり”の時期といえます。それもまた、楽しいものです。
でも、閉じこもってばかりではカラフルな春の庭のイメージも今ひとつ湧いてきません。そこで千葉県南房総市千倉町のお花畑に、一足早く咲き出した春の花を見に行こうと思い立ちました。温暖な気候を利用して、大正時代から花の露地栽培をしてきた歴史ある名所です。
福渡雅子先生が引率する早春の“体験学習”の様子をご覧ください。
房総半島の南端に位置する南房総市。房総半島の沖合を流れる黒潮のおかげで暖かいこの地は、日本有数の花の栽培地です。中でも千倉町は、冬でも露地の花畑で春の花を摘むことができるとあって、1月から3月は多くの観光客で賑わいます。
今回伺ったのは、JR千倉駅から車で10分ほどの場所にある平磯お花畑です。ここには「花を育てて地域を活性化しよう」と結成された花生産者のグループ「千倉磯花(いそはな)の会」の会員(12名)が共同で営む農園があります。会の代表の坂本文蔵さんにお話を伺いました。

- モダンなJR千倉駅の前でにっこり

- 「8色のストック、すべて摘みました!」

- 坂本さん(左)と技術担当の飯田茂さん

- “花仲間”で話が盛り上がる

- たくさんの側枝が出るのが特徴

- 清楚な一重のストック

- 左の葉は一重、右は八重
| 福渡先生 |
こんにちは、今日は快晴で風もなくお花摘み日和ですね。この磯花の会のお花畑では、色とりどりのストックが花盛りで大変華やかです。こんなに多彩な色があるとは知りませんでした。うれしくなって、全色摘みました。
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| 坂本さん |
これは「カルテット」という品種で、8色を植えました。枝分かれして5、6本の側枝が伸びるスプレータイプです。今、咲いているのは早生種です。植え付けをしたあとの9月末から10月中旬まで何回か大雨にあって冠水し、根が死んでしまうなど台風以上の被害が出てしまいました。その影響を受けて、今年の早咲きは一部で開花が3週間ほど遅れており、丈も伸びていません。でも、2月中旬以降に咲き始める中生は大雨の影響もなく大変順調に育っています。
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| 福渡先生 |
露地栽培は天気の影響をもろに受けますから、管理が大変ですね。露地育ちの良さはどんな点にありますか。
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| 坂本さん |
露地物は茎がしっかりしていて、花のつぼみが密集します。だから、切り花にしても長持ちしますし、見栄えがしますよ。温室育ちは上に伸びますから、ちょっとヒョロヒョロして頼りない感じがしますかね。
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| 福渡先生 |
なるほど、人間とちょっと似たような(笑)。こちらでのストックの栽培方法を簡単に教えてください。
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| 坂本さん |
7月、圃場に元肥として有機堆肥を入れてよく耕しておきます。経験上、豚糞や鶏糞よりも、牛糞が向いているようです。9月になって育苗コンテナに播種すると、2日後には発芽し始めます。播種後2週間ほどたったら苗を堀上げて育苗場所に移植して、本葉が6枚になった頃に畑に定植です。その後、本葉が8~10枚になったら摘心(先端の芽を摘む)します。すると、カルテットの特性である側枝が出てきます。水やりは午前8時から10時までに行っています。夕方の水やりはダメですね。追肥は窒素、リン酸、カリの成分が10対10対10か、8対8対8の肥料を使っています。
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| 福渡先生 |
「カルテット」の種には、八重咲きと一重咲きが半々の割合で混じっているそうですね。この畑は豪華な八重ですが、どうやって揃えているのですか。
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- キンセンカやヤグルマギクも花盛り

- 「春爛漫の千倉でお待ちしています」と坂本さん
| 坂本さん |
発芽後の双葉の形で見分けて、八重に揃えています。八重の双葉は大きくて、やや長くて葉の色が黄緑です。一重は双葉が小さく、丸形で葉の色が濃いですね。でも、完全に鑑別することはできません。この畑でも、少しだけ一重が混じっていますよ。ほら、大きくなっても、八重と一重は葉に違いがあるのが分かりますね。
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| 福渡先生 |
ああ、なるほど。でも、一重はダイコンの花のようで可愛いですよ。ところで、お花が終わったらこの畑はどうされるのですか。
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| 坂本さん |
裏作としてトウモロコシを植えています。千葉市や東京の小学生が訪れて種を蒔いて、その後の管理は私たちが行います。そして再び収穫時にやってきて、もいでいきます。子どもたちはとても喜んでくれますね。都市部と地方のこんな交流が芽生えるのは、私たちにとってもうれしいことです。
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| 福渡先生 |
冬から早春は観光客、夏は小学生と、この畑は集いの場所になっているのですね。「花で地域を活性化」という会の目標は達成されているようですね。畑の中央には来訪者が自由に使える休憩スペースもあって、会員の皆さんの“おもてなしの心”が伝わってきます。今日は春のような暖かさの中でお花摘みもさせていただいて、大変楽しかったです。ありがとうございます。
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| 坂本さん |
平磯お花畑では、ストックだけでなくキンセンカやポピー、ヤグルマギク、ベニジウムなどが咲いており、2月末には見頃を迎えます。また南房総市ではこの地区だけ、午後5時から8時までライトアップを行っています。3月中旬まで、昼間とは違った幻想的な花の表情が浮かび上がります。花摘みは基本、10本500円で3月いっぱい楽しんでいただけます。是非、おいでください。
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取材協力:千倉磯花の会 295-0024千葉市南房総市千倉町平磯![]()
お花畑の主役はやっぱり花。夢中になってシャッターを切っていると、視界に青い海が! 花畑の一角から真っ青な太平洋がちらりと見えるではありませんか。さっそく海へ。
5分ほど歩くと、岩礁が続く海辺に出ました。深い藍色の水平線あたりを巨大なタンカーや貨物船が行き交います。岩にぶつかって砕ける白い波、海水面の波動や光の反射と、変化に富んだ写真が撮れました。
振り返れば、海に迫るように照葉樹(常緑広葉樹)に覆われた丘陵が広がっています。艶やかな深緑の葉が光を跳ね返す美林もまた、絶好の被写体です。ここは日本の照葉樹林の北限といわれています。
冬こそ、美しい花・海・山が待つ南房総市に、撮影に出かけてみてはいかがでしょうか。

- 雄大な太平洋。まばゆい光に包まれる福渡先生
潮風に揺れる平磯の花々は、降りそそぐ太陽の下で元気に育っています。カラフルなお花が織りなすモザイクは、春の華やぎそのもの。花畑にいるだけでウキウキしてきます。
ビタミンカラーの花が、淡くて甘い花色の景色を引き締めているからでしょうか。あるいは、紫色と黄色といった補色の組み合わせが、互いの色を引き立て合っているからかもしれません。平磯のお花畑を訪れて、気分が上向く庭の「色の組み合わせ」「花の組み合わせ」のイメージも膨らみました。
皆さまにも春の花選びのヒントにしていただけるように、平磯を彩る花たちを紹介しましょう。関東地方を基準にした「プチ栽培情報」付きです。

- 「皆さんも、心はずむ春の花壇を作ってくださいね」
日当たりが良く、弱酸性で水はけの良い肥沃な場所に植えましょう。加湿にすると根が腐りやすいので、土が乾いてから水をたっぷりとやります。やや寒さに弱いので、暖地以外では防寒用のネットを掛けるなどして霜が当たらないようにしましょう。大敵はコナガ。定期的に殺虫剤を散布して防除します。草丈が伸びるので、支柱を立てましょう。
9~10月に日当たりと水はけがよい場所に約20cm間隔で播種します。酸性土壌を嫌いますから苦土石灰を、さらに腐葉土、堆肥をすき混んでおきましょう。7~10日で発芽します。水やりは表面の土が乾いてからたっぷりと。うどん粉病にかかりやすいので、定期的に殺菌剤を散布します。アブラムシも付くので粒状殺虫剤で予防しましょう。
日当たりが良く、水はけの良い場所なら、たくさんの花が咲きます。直根を伸ばすので移植を嫌いますから、花壇に直播きにするのがいいでしょう。蒔き時は9月下旬~10月中旬。種子と、種子の10倍ほどの砂や土を混ぜ、平らにならした花壇に均等にばら蒔きします。蒔いたあとは覆土はせずに、表面を軽く押す程度に。10日ほどで発芽します。
耐寒性が強く、比較的丈夫で育てやすい花です。日当たりと水はけが良い場所に腐葉土をすき込んで良く耕し、9月中旬~10月中旬に25cm間隔で1カ所に2~3粒蒔きます。本葉3~4枚が出たら、元気な苗を1本残して間引きます。本葉6~7枚の頃に摘心しましょう。窒素肥料が多いと葉が繁りすぎて花付きが悪くなるので、注意が必要です。
9月中旬~10月中旬頃、育苗箱に新しい土を入れて種をばら蒔きして薄く覆土します。たっぷりと水を与えたら発芽するまで1週間程度、新聞紙などで覆っておきます。発芽温度は20℃程度。これより気温が高いと発芽が極端に悪くなりますから注意しましょう。本葉が2~3枚になったところで、日当たりが良く肥えた場所に株間を約30cmあけて浅植えします。
8月下旬~9月中旬に播種します。清潔な土を入れた育苗箱にばら蒔きし、薄く覆土して水を十分に与えます。本葉が2~3枚になったらポットに鉢上げし、根が回ったら植え付けです。植えるのは日当たりと風通しの良い場所に。土に有機肥料と化成肥料、苦土石灰をすき込んだら、株間を約25cmあけて植え付けます。根腐れしないように水は控えめで管理します。

- 普段使いの食器だって、素敵な花器に変身する
お花を生ける時、どの花器を使おうかと考えるのは楽しいものです。花の雰囲気を活かして花器を選ぶこともありますし、部屋の雰囲気を変えたくて花器を選ぶこともあります。同じお花でも、備前などの陶器にすれば和のテイストに、ガラスにすれば洋のテイストに、籐かごを使えばアジアンテイストなりますから、花器は大変便利なインテリアグッズといえます。
そこで今回は、花器で遊ぶアレンジメントをご紹介しましょう。花器というと、お花専用の器をイメージしますが、毎日の食卓に登場する陶磁器や漆器、酒器などの生活雑器も立派な器になります。お好きな花を、お気に入りの食器に、気軽に楽しく活けてみましょう。
お盆の上に、春の華やぎをかわいらしく表現しました。ポイントカラーはピンクと淡い紫です。
水を含ませたオアシスを浅い皿に置き、主役のガーベラを三角形になるように挿します。三角形の底辺に大き目の花を持ってくると安定感が出ます。
あとは、その周りに大きさとバランスを考えながら残りの花を挿していきましょう。後ろには背の高い花やゼンマイを、手前にはオアシスを隠すように丈をつめたピンクの小花のシレネや葉を挿していきます。隙間から見える花の茎は、小花や葉でふんわりと隠しましょう。
ユキヤナギはなびくように挿して、春風を表現しました。

- ★漆塗りを使用する場合、塗りがはげないように皿の下にガーゼを敷くなどしましょう。
舞い降りてきた春の妖精たちをピンクと紫、黄色で賑やかに表現しました。普段使いのそばちょこも、ステキな花器に変身です。
花を挿す前に、そばちょこは右の(左の・上の・下の)写真のように割り箸で十字に仕切っておきます。あとは、あらかじめ丈を揃えた花を、色のバランスを考えながら4分割した部分に放射状に挿していくだけです。黄色い小花のソリダコだけはちょっと長めにして入れ込むと、調和が少しだけ崩れてステキになります。
コデマリは一番下に両腕を広げるように挿して、妖精たちを歓迎する気持ちを表現しました。
★ そばちょこは小さいので、存在感を出すためにランチョンマットや手ぬぐいの上に置きましょう。器の色や柄とマッチしたものを選んでくださいね。

- 十字に仕切るのがポイント
もうすぐ桃の節句がやってきます。春をテーマにしたアレンジに小物を足すだけで、ひな祭りの飾りに早変わりします。実演してみましょう。
丈のあるお盆のアレンジには立雛と雛菓子を、丈のないそばちょこのアレンジには坐り雛とぼんぼり、雛菓子を置いてみました。玄関やリビングなど、お好きな場所に飾って楽しんでください。
「季節の行事を、暮らしに手軽に取り入れたい」とお考えの方のヒントになればうれしいです!

- 丈のあるアレンジには立雛を。雛人形の華やかな色が、より春らしさを添える

- 丈のないアレンジには坐り雛を。赤いランチョンマットは緋毛せん代わり
花の撮影では、ボケ味を演出させたり、あるいは、全体をくっきりと写したりなど、自分の狙った写真が自在に撮れるようになると撮影が一層楽しくなるはずです。このように、多彩な表現で撮影する場合、大切な役割を果たすのが、「絞り」です。
絞りとは、レンズに組み込まれている光を通す穴の径を調整する機構です。その絞り径に応じて入射する光の量を制限し、ピントの合ってみえる範囲をコントロールしているのです。
絞りをコントロールすると、ピントの合ってみえる範囲が違ってきます。絞りを開くと、ピントの合って見える範囲は狭くなり、背景や前景にボケ味を演出ができます。絞りを絞ると、ピントの合って見える範囲は広くなり、全体をくっきりと写して説明的な写真になります。
このように、ピントを合わせた位置に対して、その前後のピントが合っているように見える範囲を「被写界深度」といいます。ピントが合う範囲が狭い場合を「被写界深度が浅い」と表現し、ピントが合う範囲が広い場合を「被写界深度が深い」という言い方をします。
絞りを開ければ(絞り値を小さくすれば)被写界深度は浅くなり、絞りを絞れば(絞り値を大きくすれば)被写界深度が深くなるのです。
では、イラストを使って分かりやすく説明しましょう。
ボケ味優先描写で、被写体を強調したい時に
ピントを合わせた赤い花はシャープに写るが、手前にあるジョウロと草、奥にある木はボケて写る。その結果、赤い花だけが強調される。
くっきり描写で、説明的な写真にしたい時に
ピントを合わせた赤い花だけでなく、手前にあるジョウロと草、奥にある木もシャープに写って環境まで伝わる写真になる。ただし、シャッタースピードが遅くなるため、手ブレに注意
























