Pleasure 楽しみ
写真を楽しんできた分、堪能できる動画制作
一眼レフカメラならではの映像撮影のポイントなどはありますか?
そうですね、やはりレンズがポイントになると思います。ビデオカメラと大きく違う点で、一眼レフカメラのレンズはすごくいいですよね。たとえば、光量が足りないシチュエーションでも撮影できるというのは特徴だと思います。今回の映画には「ノーライト」という裏テーマがあって、あえてライト(照明)を使わずに撮影しました。特に夕陽のシーンはすごくきれいに撮れましたね。あの状況の暗さだと、本来なら人物にライトを当てなくてはいけなかったと思うんですが、D90の場合は必要ありませんでした。こんなに光を拾えるんだという利点が示されている場面だと思うので、注目していただければ嬉しいです。
確かにとても美しい映像でした。照明を使わずにきれいに撮れるというのは、アマチュアユーザーにとって嬉しいことです。
はい。最後の方の江の電に乗るシーンも駅の蛍光灯だけで撮っているんですよ。全編が意図的に作った光ではなく、自然な光なんです。それに、レンズ交換や持ち運びに関してもビデオカメラとは比にならないくらい楽なので、撮影の効率も上がります。具体的に言うと、先ほどもお話しした夕陽のシーンは、いわゆる業界用語で言う「マジックアワー」で、黄金色の光が満ちて影がなくなり、人物が1番美しく写る時間帯なんです。でもマジックアワーは20分くらいしか続かない。フィルムのムービーカメラなら、通常その間に撮れるカットはせいぜい2、3カットです。でもD90は本体も軽いし、レンズ交換もはるかに早いので、15~20カットくらいは撮影できました。
暗さに強いことと機能性の高さは、撮影にさまざまな可能性を持たせてくれるのですね。今回の撮影でレンズはいくつくらい使用されたのですか?
僕が覚えている限りだと5、6本でしょうか。その中には、早坂さんの父親が持っていたレンズも含まれているはずです。古いものから新しいものまで、レンズのバリエーションは数知れないわけですから、いろいろな画が撮れるという面白さはすごくあると思います。
なるほど、両親や祖父母が持っていたレンズを使って動画を撮ることも可能なんですね。
もう使わないと思っていた古いレンズを押し入れから引っ張り出してきて、映像を撮ってみるというのももちろんありです。味わいのある画が撮れるかもしれませんよね。今まで写真を楽しんできて、こつこつレンズを集めてきた方こそ、D90の動画撮影は楽しめるんじゃないでしょうか。教えてあげたいくらいですよ(笑)。
D90の魅力をくまなく発揮して映画を作っていただいたのですね。
いかに特徴を生かせるかということは、常に念頭において作りました。ノーライトのほかにフィックス(カメラを固定して撮影)にこだわって撮ったことも、このカメラの性格をあらわしているひとつです。撮れる映像自体がきれいなので、その素晴らしさを最大限に引き出そうと思いました。一枚の写真のような美しい風景の中を、人物がゆるやかに動いている。そんな映画を作るのが得策なんじゃないかなと考えたんです。

