Future これから
ステップアップして 京都をこれからも撮り続けたい
写真の魅力を教えてください。
写真には、撮っている人の内面が写るということですね。またNHKの番組の話になるんですが、一緒に生徒として出演されていたのが俳優の黒沢年男さんだったんです。同じテーマで撮っていても全然違う写真になるんです。黒沢さんの写真はとにかく大きい! という感じで、ダイナミック。人生が出ていると感じられる写真なんです。フレームから溢れ出しそうな躍動感があって、写真が生きている! と思いました。逆に私の写真はフレームの中に収まろう、収まろうとしている。写真の力はフレーム内で限界なんです。だから私も躍動感のある、心を動かされるような写真を撮りたいと思いました。ふたりの性格がそのまま出ているなというのをとても感じて、写真はそういった面がすごく面白いと思いましたね。
写真に表れるいとうさんの内面とは、どんなものだと思われますか?
基準や基本からはみ出すことができない性格なんです。多分、生真面目なんだと思います。それはそれで個性だからいいとは思うんですが、黒沢さんの撮るような自由な写真にも惹かれるので、自分にも撮れたらなと思ったんです。
最近では自由な写真も撮れるようになりましたか?
そうですね。以前に比べて写真が変わってきました。多分、それまでは撮りたいと思っても、このスケールの大きな景色を写真に写せるわけがない! と思って撮るのをやめていた部分があったんですが、私が感じたものは写真に写るんだと分かったので、心のままに撮れるようになりました。それがいい方向に進んでいるんだと思います。
いろいろな経験をされて、写真との関わりかたも以前とは変わってきたいとうさんにとって、今写真はどのようなものだと感じていらっしゃいますか?
今の自分を撮れるものという感じです。自分の気持ちや状態が写るバロメーターみたいなもの。たとえば、撮りたいものが撮れている写真と、ただきれいに見せようと思って撮っている写真があって、その時は同じような感覚で撮っているんですが、のちのち見返すとその差に気がつくんです。撮ってよかったと思うのは、へたでも自分が撮りたいと思って撮った写真なんですよね。かっこつけてきれいに撮ろうと思って撮った写真は、その時はきれいに撮れたと思っても、見返してみると「ああ、うわついていたな」「修行が足りなかったな」と感じるんです(笑)。
きれいに撮ろうと思ってしまうときは、どういった心理状況だと思われますか?
多分誰かの影響を受けたときとか、自分じゃなくてその人になろうとしているとき。本当の自分はどこかにいってしまっている状態だと思うんです。どこかで見たことのある写真、自分で撮ってない写真。撮りたいものが撮れているときは、きっと心も安定していて、自分も安定しているんです。写真は自分が投影されるものですね。
最後に、これから挑戦してみたいことを教えてください。
今使っているデジタルカメラが4年前に買ったものなので、そろそろ新しいカメラを買いたいなと思っています。そして、やっぱり京都をたくさん撮りたいですね(笑)! 好きな土地にいると撮りたいものがたくさんわいてきますしね。ほかにも、いろいろな国の「色」が撮りたいです。京都で撮れる色は日本の色。海外いったらその国の色があると思うので、その土地らしい色のある風景を撮りたいなと思っています。
そして、これからもどんどん自分の写真の幅を広げたいですね。もっと表現のバリエーションを増やして、ステップアップできるよう頑張りたいです。カメラの機能も4年前からかなり進歩していると思うので、新しいカメラに触れることもすごく楽しみです。夢が広がります。

