talk! talk! talk! プロサーファー、俳優・中村竜さん


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Pleasure 楽しみ

自然と波長が合ったとき 計算外の美しい写真が生まれる

その他にも何枚か写真を持って来ていただきました。

今回の写真はすべて南西諸島で撮ったものですね。よく波乗りに行く場所なんですよ。この朝焼けの写真は自分でもすごく気に入っている写真で、ここはすごくパワーを感じる場所なんです。この日は朝早く目が覚めてしまって、夜が明ける前からずっとこの場所にいて朝日が昇る瞬間を見てたんです。ほんとにすごく綺麗なんですよ。それから、こっちはハイビスカスをスコールが通り過ぎた後に撮ったものなんです。水滴があちこちについていて、かなり寄って、わざとぼかしてやわらかい感じに撮ったんですよ。

写真を撮るときはありのままを撮影するというよりは、被写体に合わせて絵づくりをされる方なんですか?

絵づくりをしているというよりも、自分が心地いいなと思う感じをそのまま出しているというか、何となくこうしたいと思うように撮るという感じで……。ハイビスカスの写真も、たくさん雨が降ったあとにパーッと晴れたんですよ。それで、空気が熱せられてボワーッと湯気がたっているような雰囲気だったんです。そのときの空気を感じていたから、パキっと撮るよりもボヤっとした感じがいいなと思って。
その他にも、これは砂浜に落ちていた空きビンをマイクロレンズで撮ったものなんですが、ただのゴミなんだけどすごく綺麗で、綺麗なのにゴミで、それがなんだか可哀相だなって感じながら写真を撮りました。きっと、自分の中では1枚ずつストーリーがあるんですよね。

船に乗っている写真は、サーフィンのポイントに向かうところでしょうか?

そうです、そうです。仲間とまだ暗いうちから船で出掛けていくんですよ。いい波に出会えない、当たりの波が来ないことも結構ありますから、今日は波が来るか来ないか、ポイントに着くまでみんなでドキドキしたりしてね。もちろん気候や季節を考慮して、経験からポイントを決めては行くんですが、待っても待っても当たらないときは当たらないし、たまたま行ったら当たったということもある。波って、当てようと思って当たるものではないんですよね。

「最高の波は一生に1度出会えるか、出会えないかだ」というような話を聞いたことがあるんですが、それは決してオーバーではないんですね。

ええ、オーバーではないです。それぞれ好みの波は違いますし、そのときのシチュエーション、モチベーション、そういった要素もあるので自分にとってベストな波に出会えるというのは本当に限られてくる。たまたますべてのタイミングが合えばという感じで、計算できるものではないです。

プロサーファー、俳優・中村竜さん

そういう意味で言うと写真はいかがですか?サーフィンよりは計算して撮影することができるのでしょうか。

いや、写真もまったくできないですよ。だから、写真とサーフィンにはすごく共通点があるように感じますよ。僕は素潜りも趣味でやるんですが、素潜りともすごく似た部分があって、だから写真にも惹かれるのかなと思うんです。うまく言葉で説明できないんですけど……何かこう、似てるんですよね、自分の中で。

計算できないという部分が似ているということでしょうか?

うーん。計算というよりは巡り合わせだと思うんですよ。サーフィンも素潜りもそうなんですが、自然が作り上げたものに巡り合うような感覚なんです。写真も同じように、感動するものに会えていい写真が撮れた、それはたまたま巡り会えた、タイミングが合ったということだと思います。自然と波長が合ったときに撮れるような気がするんです。そういう部分が似ているからこそ写真にもハマっているのかなと思いますね。