talk! talk! talk! アニメーション作家・村田朋泰さん


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アニメーションと写真は違うもの それがだんだんと一致してきた

アニメーションで表現することと写真で表現すること、比べてみるとまず、動画と静止画という部分が大きな違いなのではと思います。村田さんはその違いをどのように感じていますか?

たしかに、写真は一瞬を絵にする表現ですからね。一方でアニメーションは話を考えて絵コンテを描いて、セットを作って1秒作るのに15コマ撮影するんですが、ちっとも進まない(笑)。これがアニメーションと写真の大きな差だと思うんですが、最近では、それがだんだん一致してきたんですよね。写真もアニメーションも、表現する上では変わらないんですよ。自分が何を持っていて何を表現したいか、それがあれば写真だろうが絵だろうがアニメーションだろうが文章だろうが、なんでもいいんじゃないかっていう気がするんですよね。

アニメーション作家・村田朋泰さん

大きな差があったものが、一致してきたというのは?

あの、もともと僕も、アニメーションはアニメーション、写真は写真、まったく別のものだと思っていたんですよ。小さいころから意識していたのは時間軸という概念で、始まりがあって終わりがある、スタートしてゴールする。そういった時間軸が作品表現の中に欲しくて、漫画やアニメーションはそうですよね。でも1枚の絵や写真にはそれがないと思っていたんです。写っているその瞬間の映像、描かれた風景、それ以上の情報はそこには含まれていないしもちろん時間軸もないと思い込んでいたんです。
でもそれは自分のイメージ力のなさで、1枚の写真にも時間軸ってあるんですよね。そのバックグラウンドを感じることもできるし、1枚の写真には写っている情報以上のものが広がっていることがわかってきた。それに気づいたのはアニメーションを作るようになってからなんです。別に1枚の絵でもいいんだ、1枚の写真でも時間軸は表現できるんだっていうことがわかってきて、今では絵も描くようになりました。

なるほど。動画でも静止画でも、表現するツールとしてはあまり変わらないんですね。

はい。ただ絵や写真も、もちろん1枚で見せる方法もあるけれど、必ずしも1枚じゃないといけないということではなくて、連続して見せるというのもありだと思うんですよね。写真集をパラパラ見るような時間軸の見せかたもあるかもしれない。それで最近では、構成や構図などは気にしないで撮っているんです。とにかく目についたものをバシバシ撮っていく、それを撮った順番に、時間軸に添ってアルバムに並べていくんです。

谷中を撮っていた時期とはまったく違う写真ですね。

まったく違いますよ。これは考えないで撮る。いいなと思ったらとにかくシャッターを押す。ファインダー覗いて撮っていないのもありますから、絞りも適当、ピントもボケていますし、手ブレもしていますし(笑)、とにかく直感的な写真ですね。でも、より自分の目線に近い写真だと思います。今はこの撮り方が一番やりやすいなと思っているんですよ。フィルムだから余計にいいんですよね。もう、どう撮れているのかさっぱりわかりませんから、出来上がるまでワクワクします。そういうことも含めて、自分にはいい撮り方だなと思っているんです。

写真については、その撮り方で表現していこうと?

ええ、でも写真はあまり、欲なく撮っているんですよ。写真はただ好きか嫌いかなので。写真集を買うときもそうじゃないですか。買うときにこの写真家がどんな人なのか、どういう考えを持った人なのか、そういうことはあまり考えない。ただ見て好きか嫌いかで選びますよね。だから撮るときも自分はこういう写真が好きで、こう撮りたくて、それを撮れればいいかなって。これで何か表現しようとかそういう強い欲みたいなものは写真に関してあまりなんです。こう撮りたいというのはいつもあるんですけど、なんというか……もっと日常的なものなんですよね。