人物写真を撮るのが好き 面白いのは撮る側と撮られる側の呼吸が合う瞬間
普段はどんなものを撮っているのですか?
ずっと前から人物が好きなので、人物写真ばかり撮っています。一眼レフカメラを持つようになってからは、前に比べて風景写真も撮るようになりましたが、今は大学の友達を撮ることが多いですよ。授業の合間に「ちょっと撮らせて」ってお願いして撮ります。教室で撮ることもあるし、外に呼び出して撮ったりもします。
なぜ人物写真を?
人のいろいろな表情を撮るのが好きなんです。その瞬間しかない表情を残すことができるし、撮る側と撮られる側の呼吸が合うとすごくいい写真が撮れたりして、それが面白いです。
呼吸が合う?
撮っていると呼吸が合う瞬間がわかるんです。ファインダーの中から見ていて「あ、今のよかった」って思ったカットは、現像してみるとやっぱりそれが1番よかったりするんです。撮られていてもそれは感じますよ。フォトグラファーさんと距離感がつかめないとか、初めての人だとうまくいかないとか、この人とは合う合わないというのはありますから。
仲の良い友達だったら、呼吸も合わせやすそうですね。
うーん、でもなかなかそうやって撮られることってないと思うので、最初の方はやっぱりみんな照れてますよ。でもだんだん打ち解けていい表情を出してくれますね。カップルの写真を撮るのも好きなんですけど、「そこ、もっとくっついて」(笑)って言って撮っていると、表情も柔らかくなってきますね。

- うれしさでも、悲しさでも、
感情が顔に強く現れている写真が
撮りたいそうだ
撮った写真は友達にあげたりしますか?
何枚か焼いて、1番かわいく写っている写真を選んであげています(笑)。最初は照れていらないって言われるんですが、写真を部屋に飾ってくれているみたいです。
多分、モノクロで大きく引き伸ばされた自分の写真って、普段自分で撮っている中では手にする機会がないと思うんです。だから、そういう写真をあげると本当に新鮮に感じるみたいですごく喜んでくれて、うれしいですね。
撮影するときのこだわりや気をつけていることはありますか?
こだわりかどうかはわかりませんが、人の表情を撮りたいので比較的アップの写真が多いです。特に笑った顔の写真を撮るのが好きなんです。あとはうつむき加減の写真も多いですね。
でも、今1番撮ってみたいのは泣いている写真なんです。目薬は嘘っぽくなるからダメですよ。だからなんとか泣いてもらうしかないんだけど(笑)、そんな機会はなかなかないですから、撮れないんです。
スポーツなどの感動の場面に立ち会えば撮れるかもしれないですね。それとも失恋して大泣きしているような涙を撮ってみたい?
あ、そうそう、そっち!悲しくて辛い涙が撮りたい(笑)。この間「クローサー」という映画を見たんです。ジュリア・ロバーツがフォトグラファーの役で、共演のナタリー・ポートマンの泣き顔を撮るんです。映画の中でジュリア・ロバーツは展覧会を開いて、その写真を大きく伸ばしてパネルに貼って展示するんですが、その写真がすごくよくて。あ、これいいなって思って。いつか泣き顔を撮ってみたいですね。
写真撮影はひとつずつ作り上げていくもの その現場の雰囲気が楽しい
モデルを始めたきっかけはなんですか?
1番最初は8歳のとき、母親の友達のデザイナーさんの服を着たのがきっかけです。それで、14歳頃から本格的に活動を始めました。
最初の撮影時のことを覚えていますか?
覚えていますよ。緊張したけど、でも洋服を着せてもらったりして悪くないなぁって(笑)。
出来た写真を見たときは不思議な感じでしたね。それは今もそうなんですが、テレビのCFに出ていたり本屋さんで雑誌を見たりするとちょっと変な気持ちになります。どこか他人を見ているような、自分はここにいるのに何でそこに?みたいな感じ。特に悲しいことがあったときにテレビや写真の中でニコって笑っているのを見ると、ちょっと微妙な心境になります(笑)。
14歳で本格的にモデル活動を始めたというのはご自分の意志ですか?
そうです。この仕事が好きだったので。でも、写真に撮られてうれしいということではなく、撮影現場の雰囲気が好きだったんです。それに、小さい頃は大人に囲まれたりすることって新鮮だから、それが楽しかったんです。
それは今も同じで、雑誌に出られるとかではなくて、現場が楽しいから続けています。メイクを始めて服を着て、ひとつずつ段階を踏んで1枚の写真が出来上がっていくという感じがするんです。それに、最近はスタッフと自分の年令が近づいてきて、やっと大人として、仕事仲間として受け入れられて来たような感じがするのがうれしいんです。今まではまるっきり子供扱いでしたから。
写真撮影は、モデルさんもスタッフと一緒に作り上げていくという感覚なんですね。
そうなんです。でも最近は、どのファッション雑誌も似てきてしまって、わりとカタログっぽいものが多くなりましたよね。メイクもナチュラルが流行りですし。以前はかなり凝った撮影が多くて、メイクもすごく作り込んでいたので見ているだけで楽しかった。セットも1回ごとに違ったり、写真の撮り方も凝っていたり、やっぱりそういう作り込んだ撮影は面白いですね。
演技は今1番興味のあること いろいろな役にチャレンジしていきたい
最近は演技にもチャレンジされていますね。
これまで写真の仕事が多かったので、演技をするというのは本当に新鮮です。今まではその場に行って撮影してそこで完結していたのに、台詞を覚えたり役作りをしたり、現場だけではなく宿題みたいに自分の家でやってくることが増えた。そういう、現場に入るまでの下準備をする時間を作るというのが新しい経験だなと思いました。
演技で戸惑ったりすることはありませんでしたか?
泣くシーンがあったんですが、なかなか涙が出てこないんですよ。悲しいことを思い出したりしてもダメで、私は演技には向いていないのかなぁって思いました。そのときは辛くて、ちょっと辞めたいなって思ったくらい(笑)。
周りに大勢の撮影スタッフがいる中で泣くなんて、緊張するでしょうしなかなか大変そうですね。
うーん、私、涙腺が硬いのかもしれない。普段もよほど悲しい映画を観たときにしか泣けないんですよ。泣いても悔し涙!みたいな感じで(笑)。大勢のスタッフさんに囲まれることには慣れているんですけどね。
雑誌の撮影でもたくさんのスタッフの方が周りにいるんですか?
たくさんいるときは本当にすごい数の人がいますよ。あ、撮ってみたいもののひとつにスタジオっていうのもあるかもしれない。私が撮られていて、その私の目線で周りを見た写真!どれだけの人に見られていのるか、その感じを分かってくれる人はなかなかいないんですよ。たまにすごい顔をして見ている方もいますし、それで重苦しい雰囲気になったりして、そういうときはどれだけ緊張するのかを見てもらいたい(笑)!
(笑)いつか撮る機会があったらぜひ見せてくださいね。では最後に、これからの夢、目標はありますか?
これまで消極的だったんですが、最近は新しいこと、いろいろなジャンルに興味を持つようになったんです。今は演技に1番興味があるので、機会があればもっとやっていきたいですね。面白い役が来たら、自分の中にはないような、全然イメージの違うものにもチャレンジしてみたい。今度オーストラリアの映画に出ることになって、8月から撮影に行くんですよ。制作も公開も向こうで、1人日本人の男の子が出るんですが、その他監督もスタッフも向こうの方で、もちろん台詞も全部英語。役柄も今までにはなかったようなおてんばな役なので、また新しい経験ができそうでとても楽しみなんです。
写真もずっと撮っていきたいです。それから現像も。OBの方も暗室を使いに来たりしているみたいなので、私も卒業しても利用させてもらおうと思います(笑)。

