第23回TopEye先生だけのフォトフォトサロン

総評

日常の場面の中にも、既視感を超える捉え方を

先生方の作品を拝見するのは3回目。TopTeacher賞に選ばせていただいた「春夏秋」は群を抜いて目立っていました。あまり撮られたことのない世界、異質だったからです。今年も卒業式の感動的な場面を捉えた作品の応募が多くありましたが、残念ながら上位賞には至りませんでした。どれも素晴らしい場面だったのですが、「どこかで観たことがある」既視感が否めないところがあったからです。おごそかな場面で、斬新なものを撮ることは簡単ではありませんが、学校行事や生徒の姿、表情を捉えるなかに、まだまだ誰にも撮られていない場面はたくさんあります。「18」もそんな作品のひとつでした。学校用にはNGの写真だったのが、発想を切り替えれば、まったく違う輝きを持ってきます。

小林 紀晴(こばやし・きせい)

1968年長野県生まれ。
東京工芸大学短期大学部写真科卒業。新聞社にカメラマンとして入社。1991年独立。1995年「ASIAN JAPANEASE」でデビュー。アジアを多く旅し作品を制作。2000〜2002年渡米(N.Y.)。写真制作のほか、ノンフィクション・小説執筆など活動は多岐に渡る。現在、東京工芸大学芸術学部写真学科教授

写真展

2003年「White Panic」(新宿ニコンサロン)、2013年「kemonomichi」(銀座ニコンサロン)、2014年「ring wandering 悲しき迷走」(銀座ニコンサロン)他

受賞

1997年日本写真協会新人賞「DAYS ASIA」、2013年第22回林忠彦賞「遠くから来た舟」

写真集

「ASIAN JAPANESE」、「DAYS ASIA」、「ASIA ROAD」、「東京装置」、「japanese road」、「homeland」、「アジアの少年」、「ハノイの犬、バンコクの象、ガンガーの火、」、「Tokyo Generation」、「写真学生」、「dark room・暗室」、「国道20号線」、「小説家」、「life 1986-2002」、「遠い国」、「days new york」、「9月11日からの僕のこと」、「旅をすること」、「SUWA」、「写真展に行ってきました」、「最後の夏 1991」、「父の感触」「はなはねに」、「十七歳」、「昨日みたバスに乗って」、「写真と生活」、「ハッピーバースデイ 3.11」、「メモワール」、「kemonomichi」、「美女の一瞬」、「だからこそ、自分にフェアでなければならない。」など多数