銀座ニコンサロン 2017年8月

井上 美千子 写真展

写真
木隠の聲をひろう
7/26 (水) ~8/1 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

死は突然に現れ、愛しい人を連れ去っていきます。だから、私は死を忌み嫌い、畏れ、老いる事も恐れてきました。子ども達が巣立ち、両親を見送ると時間が止まったかのようにゆっくり流れ始めました。見慣れた風景の中に、いつもそれはあったはずなのに、すっと立ち上がってきました。死は身近にあったのです。死は、生から隔離されるものでもなく、特別な出来事でもなく、むしろ死は生に含まれ、一部であると思うのです。
展示とともに写真集もご高覧ください。ひとつひとつ見つけ拾い集めた私の視線を、ページを繰ることで感じていただけたら幸いです。
(井上 美千子)

作者のプロフィール

井上 美千子(イノウエ ミチコ)

東京都生まれ

2015年 5月 S.D.L Photo Exhibition 2015 『夢の一片』
2015年12月 奥野ビル306号にてグループ展 『Collage #01』より2点

越沼 玲子 写真展

写真
灯る
8/2 (水) ~8/8 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

人の暮らしのそばにある、田舎の自然。 そこではひとつ1つが命を宿し、今に生きている。
特別に想うことも ささやかに想うことも 大切に繋(つな)がってゆく。
枯れたものさえ なにかを遺(のこ)し、温もりをくれる。

何かに追われるような日々のなかでも
草木や動物のように、源を灯しあい
今を嚙(か)みしめ、生きてゆきたい。
そう想うようになったのは
日常の営みに疲れた人に出会ったり
病の人を見おくったり、人が生まれ育つのを見ることが増えたからかも知れない。
そうして生や死も身近にある自然の中で、
力強くも、温かく ゆったりのびやかに生きる息づかいや
源のようなものに触れ、力が湧きおこるのを感じたからだ。

そんな息づかいや、ゆっくり移ろう季節や時と
暗がりも温かく灯すような、源にあるものを少しでも届けたい。 (越沼 玲子)

作者のプロフィール

越沼 玲子(コシヌマ アキコ)

1978年  茨城県生まれ。            
2010年~ 四谷写真塾、日本写真学院、エプサイト、他で各分野の写真家の方などの授業を受ける。

富士ゼロックス、神奈川芸術文化財団 など の勤務を経て今に至る。

写真展
2014年6月 コニカミノルタ フォト・プレミオ 年度賞受賞写真展
2月 コニカミノルタ フォト・プレミオ 個展「Spirit in Wild ~森の鼓動~」

受賞 
2013年度(2014年6月) コニカミノルタ フォト・プレミオ 特別賞 受賞

兼子 裕代 写真展

写真
APPEARANCE-歌う人
8/9 (水) ~8/15 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

「APPEARANCE - 歌う人」は、私が現在住んでいるカリフォルニアのサンフランシスコとオークランドで出会った人々の歌っている姿を撮影したポートレート・シリーズです。人種も世代も異なる被写体たちの「歌う」という表現をとらえることで、ひとりひとりが持つ唯一無二性と、全ての人に通底する平等性を、同時に具現化したいと考えました。
被写体はそれぞれの記憶や経験をもとに選んだ歌を歌いながら、様々な感情を表します。それは極めて個人的であり同時に普遍的でもあります。彼らは、強さと弱さが同じコインの表裏であるように、人前で歌うという勇気を通じて、自らの脆さをさらけ出しているかのようです。
写真は感情という目に見えないものを写すことはできませんが、常に変化する表情の一瞬を捉えます。私は被写体の上に表れる感情の発露、あるいは、そこに垣間見える意識と無意識の狭間を追求したい。なぜなら、表層に浮かび上がるそれら瞬間の表情こそが、見る人の意識に介入し、世代や背景、人種を越えて他者への共感を喚起し得ると思うからです。 (兼子裕代)

作者のプロフィール

兼子 裕代(カネコ ヒロヨ)

1963年青森県生まれ。1987年明治学院大学フランス文学科卒業、2003年米国サンフランシスコ・アート・インスティチュートに留学、2005年同大学院卒業後サンフランシスコおよびオークランドにて活動。
東京国立近代美術館, フォトグラファーズ・ギャラリー(東京)、レイコー・フォト・センター、SFカメラワーク、ヘッドランズ・センター・フォー・アーツ(サンフランシスコ)、フォトグラフィック・センター・ノースウェスト(シアトル)、長崎市立図書館、サンフランシスコ現代美術館、フィラデルフィア美術館など、日本、アメリカ両国で作品を発表する。主な受賞歴に、 サンタフェ・プライズ・フォー・フォトグラフィー(2009)、フィラデルフィア美術館フォトグラフィ・ポートフォリオ・コンペティション(2012)、フォトグラフィック・センター・ノースウェスト・アニュアル・エキシビション最高賞(2017)がある。サンフランシスコ現代美術館、フィラデルフィア美術館、レイコー・フォト・センター(サンフランシスコ)に作品が所蔵される。

森下 博子 写真展

写真
Freeze
8/16 (水) ~8/22 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
日曜休館

写真展内容

私が住む富士山の麓の御殿場では、冬の凍てつく朝、散歩道の水溜りや田んぼには、氷が張っています。そんな時、いろんな造形の氷を見つけては撮影を楽しんでいました。
ある時ふと、この氷を透かして見る向うには、ひょっとしたら、今までとは異なる面白い世界が広がっているかもしれないと好奇心が湧き、我が家の狭い庭で氷を作ることを考えたのです。それからというもの、星の輝く夜には、モノクロ現像で使った大きなバット5個に水を張り、日々の散歩で撮った写真を各バットに沈めて、氷が張るのを念じながら、就寝したのでした。夜の間に出来た氷の表面は、気温や風などの影響で毎回変化に富んだものが出来たのです。また、氷が融け始めると表面は、どんどん変化してゆき、また異なる趣を呈してくれます。こうして富士山の麓の氷点下の暮らしなどをイメージしながら出来た作品がfreezeなのです。時には、時をも封じ込めてしまう、氷の中に閉じ込められた様々な世界をお楽しみ下さい。 (森下 博子)

作者のプロフィール

森下 博子(モリシタ ヒロコ)

兵庫県 生まれ                 
1973年より 静岡県御殿場市在住
2001年~2014年まで 全日本写真連盟 裾野支部
2014年~FOTOS富士裾野

2007年7月 個展「モリシター春景」placeM
2013年5月 写真集「花舞う」発刊
2013年6月 個展「花舞う」コニカミノルタプラザ

井田 宗秀 写真展

写真
BREAKINGSCAPE
8/23 (水) ~8/29 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
日曜休館

写真展内容

アメリカのカリフォオルニア州内陸部にMonoLake(モノレイク)という湖がある。 そこにはまるで地球外の惑星であるかの様な奇景が広がっている。
当初、単にその奇景に興味を抱き撮影に赴いたが、それは湖底で形成されたTufa(トゥファ)と呼ばれる石灰華が、湖に流れ込む河川をロサンゼルス市が水源として過剰利用した為に水位が低下し地表に現れた、言わば自然破壊による光景であることを知った。
Tufaは本来地上には無い物の為、非常に脆く年々崩壊が進んでいる。又この湖は一時期アメリカ海軍の兵器実験場としても使用され、これも環境の悪化に拍車をかける事となった。
近年、Monolake及び周辺地域の環境を保護する運動が高まり、取水は制限されるが、水位の回復はなかなか進まない。 特にここ数年、カリフォルニアは大干ばつが続いており、むしろ水位の低下は進んでいる。「地球の自然は絶妙に成り立つ一瞬の奇跡、失えば簡単には取り戻せない」崩れゆくこの地の風景は、不思議な美しさを放ちつつもその事を静かに物語っているかの様だ。 (井田 宗秀)

作者のプロフィール

井田 宗秀(イダ ムネヒデ)

1978年 東京都 生まれ
12歳より写真に興味を抱き独学で学ぶ。
日本大学生物資源科学部卒業。イメージスタジオ109勤務、故・管洋志氏師事後2003年独立。
日本写真家協会(JPS)会員 http://ida.viewbook.com/

主な写真展
2006年 「祈り」~BALI神々と生きる民~(カフェフランジパニ)
2007年 「Neo Tribe」(臨海アートミーティング)
2010年 「Party in Legend」~奄美皆既日食音楽祭~(渋谷芸術祭)
2010年 奄美皆既日食音楽祭写真展 (ギャラリールデコ)

出版
2010年 「Party in Legend」~奄美皆既日食音楽祭ドキュメンタリー写真集~ 発行:TODOROKI

田川 基成 写真展

写真
ジャシム一家
8/30 (水) ~9/5 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
日曜休館

写真展内容

あるきっかけから日本に住むムスリムのバングラデシュ移民家族と知り合い、親しく付き合うようになりました。家族の父、シクダール・ジャシムさんは日本社会がバブルの絶頂にあった頃来日し、建設や解体の現場で長年働いてきた人です。ジャシムさんと妻、三人の娘と一人の息子は千葉県郊外にある団地で暮らし、その周辺地域には同じムスリムの移民たちがゆるやかなコミュニティをつくり生活しています。

家族と過ごした時間は、想像していたのよりもずっと静かで、淡々と流れてゆきました。彼らの生活には、我々が移民に対して連想してしまいがちな極端な経済的困窮、あるいはイスラム教徒にイメージする、日に何度も一心不乱に祈る姿、などはあまり存在しません。団地の中にある学校に通い、週末は車で大型スーパーに行って食材を買い込み、自宅でYoutubeを見て過ごす。イスラムとバングラデシュという2つのアイデンティティを大切にしながらも、日本の言語、文化や風習も親しみ、ひょうひょうと生きている。私はそのことにかえって移民の生活のリアリティを感じているのです。 (田川 基成)

作者のプロフィール

田川 基成(タガワ モトナリ)

1985年長崎県生まれ。北海道大学農学部森林科学科卒業。上京後に月刊誌編集者、業界紙記者として働く傍ら、写真を撮り始める。第2期東京ドキュメンタリーフォトグラフィーワークショップ修了。2014年よりフリーランスとして活動する。
2015年、北海道・東川町奨学生として第10期 International Summer School of Photography (ラトビア) に派遣。主な写真展に、「Between the Rivers」(2016年東川国際写真フェスティバル)がある。