新宿ニコンサロン 2017年6月

東京写真月間2017
日本写真協会

写真
アジアの写真家たち2017 カンボジア
5/23 (火) ~6/5 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

カンボジアの国土面積は日本の約2分の1で、経済成長率は7%台で推移している。農業が主力であるが工業では繊維、織物が基幹産業で日本への輸出額も他の国と比べ多い。 
カンボジアは9~13世紀に、同国を統治したクメール王朝が最盛期を迎え、アンコールワットの寺院群が多く建造された。日本からは毎年多くの観光客がカンボジアを訪問するが、そのお目当ては世界遺産のアンコールワットで、日本人にとって、大変馴染み深い国の一つである。その後ヨーロッパの諸国からの侵略によって植民地時代が長かったが、クーデターを経てヨーロッパ諸国の支配から独立し、ポル・ポト政権が実権を握った1975年以降、崩壊するまでの数年間は政権が目指した政策遂行のために知識人、医者、文化人、芸術家など100万人~200万人ともいわれる人々が逮捕、虐殺された悲しい時代があった。このため、カンボジアの教育、文化、芸術、医療等あらゆる分野で、優秀な人材を失うことになった。1992年、民主化が実現したカンボジアは、新たな国造りのため、国の総力を挙げて取り組、その成果が実りだしている。
写真文化の世界に於いても将来性のある若手写真家が多く活躍するようになり、今後の飛躍が期待される。今回は6人の写真家による写真展を3か所のギャラリーで開催する予定である。写真展ではシェムリアップを中心にした観光地アンコールワットの華麗な表現とは異なるカンボジアの人々の暮らしぶりや若い感性で捉えられたコンセプチュアルな作品群は新たな感動を呼ぶものと期待する。一方で、華やかな世界とは異なる同国の人々の質素な暮らしの一面に接することにより、日本とカンボジア両国の相互理解が進むことを期待したい。 (日本写真協会)

新宿ニコンサロン出展作家:
PHILONG SOVAN (1986年生)
PHA LINA (1986年生)

第23回酒田市土門拳文化賞受賞作品展
ストラーン 久美子 写真展

写真
横須賀ブルー ペルリ164年目の再上陸を想起する
6/6 (火) ~6/19 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

黒船の砲艦外交から163年、ペルリ(幕府文書・以下一般名辞としてペリーを用いる)の恫喝外交は、良くも悪くも、形を変えながら続いてきました。
ペリー提督、マッカーサー元帥、そして今、黒船を想起させるトランプ新大統領の未知数の力が日本に忍び寄っています。寛容と多様性に重きを置いてきたアメリカという国のあり方を不透明にしています。米軍基地で長く働いている私の実感です。
ペリーは日本の土を初めて踏んだ刹那に「ペリーアイランド」と口にしたといいます。アメリカ海軍第7艦隊所属の空母や艦船が入港して、私のオフィスの窓を覆うたびに、その威丈高な光景が「私の島」と感慨を漏らしたペリー上陸と重なります。それは、新大統領の強権的な発言にもつながるのです。
日本に開港を迫る手段を「威圧」が最も有効と計画したペリーです。その一方で、黒人の人権擁護の立場をとった人でもありました。日本上陸の際、側近には複数の黒人を就けていたことは、アメリカの多様性の現れでした。
1854年、日本は不平等な和親条約を締結しました。しかし国の母体を失うことはありませんでした。古来、よろずの神を受容して祭ってきたように、幕府はペリーというひと柱の渡来の神を受け入れたのです。
街のいたるところで渡来神と戯れる日本人の姿が見られるのが横須賀の町です。この平和な光景はアメリカの神がもたらしたと、米軍人たちは心の内で確信しています。安全保障条約においてアメリカが日本を護っている、という声は、今後のアメリカ国内で大きくなっていくと予感します。東アジアが過去になく緊張をはらむようになった今、そしてトランプ氏が新大統領に選出された今、日本の軍備拡張につながらないのか、私には一抹の不安がきざしています。
アメリカと日本、二国にどのような未来が待ちうけているのか、改めてペリー上陸の意味を考えています。 (ストラーン 久美子)

受賞理由

アメリカ・トランプ大統領の出現は、世界を震撼させ、国内では原発事故による放射能汚染が明日を暗くしている。このように写真は時代や社会の混沌を鏡のように写し出し、未来に向けての、“語り部”の役割を果たしている。
土門拳文化賞は土門拳が確立した、「リアリズム写真」の精神にのっとり、言わば写真本来の力である記録性を基に、新たな地平を切り開くことを目的としている。
今年23回を迎え、賞の方向性と、かたちが整い、それを踏まえた国内はじめ、アジア、欧米にモチーフを求めた多彩な作品が寄せられた。その全体を大雑把に分けると、祭事を捉えた作が目を引き、アジアを主にした海外の作も思いのほか多かった。祭りも異文化も視覚的に豊かだからだろうか。
そうしたなか、トランプ米大統領の言動が波紋を広げている時、70年余りにわたってなお、アメリカの金縛りになったままの基地問題を、鋭く突いたストラーン・久美子さんの作は、時節と相まって秀逸だった。 (江成 常夫)

「1853年(嘉永6年)アメリカ使節ペリー艦隊を率いて浦賀水道に来る。翌年ペリー久里浜に再び来る。日米和親条約を締結する」と歴史教科書には記してある。
ストラーン久美子さんの「横須賀ブルー」はこの大テーマの今を横須賀周辺で映像化した。
久美子さんは高校生の時に渡米し20年間アメリカにいたという。帰国後、座間基地で13年、今は横須賀の基地で10年働き、実感した日米のカルチャーの違いを米兵や日本人に教えている。
自宅の窓から沖を行く黒船が見える。基地内の撮影は許容範囲の中で写せるという利点を生かしている。
写真歴は4年足らず。何処にも応募せず、満を持して、今回土門拳文化賞に応募した。はっきりとしたポリシーを持って写した写真は強い。お世辞にもいい写真がたくさんあるとはいいがたい。それ以上に、写真の実在性やリアリティがある。 (藤森 武)

作者のプロフィール

ストラーン 久美子
1955年東京生まれ。1974年アメリカ高校留学を機に米国在住20年を経て1995年に帰国。米軍基地日本人従業員として採用され現在に至る。
2013年6月、感動させられたある一枚の写真との出会いから一念発起し初めてのカメラを購入。以後、横須賀を基点に歴史、文化、人に焦点を当てた撮影活動を続けている。
2015年9月「横須賀ブルー」(初版蛇腹本)作成。

juna21 紅 たえこ 写真展

写真
傷みを宙に置く
6/20 (火) ~6/26 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

[テーマ]
放置されることによって際立つ「傷み」続けられる生き物の「生命エネルギ-」
と「放置」という行為に残る人の「気配」が混ざり合っている様子。

[ステ-トメント]
生き物が畑から収穫され、食材になり、食べ物になり、食べ残しになり、ごみになる。
人の手によって変化し続けられる間もずっと生き物は「傷み」続けている。
生きている。
ごみでもなく、食べ物でもない人間の「におい」を纏った生き物を撮った。 (紅 たえこ)

作者のプロフィール

紅 たえこ(ベニ タエコ)
1993年 奈良県生まれ 京都在住
2012年 京都写真教室Tract 受講(オルタナコ-ス)
2013年 写真表現大学 表現総合コ-ス受講
2014年 写真表現大学 研究ゼミ1,ゼミ2受講
2014年 京都写真教室Tract受講 (作品コ-ス)
2014年 御苗場vol .15関西 スポンサ-賞 EPSON賞受賞
           飯沢耕太郎氏レビュア-賞ノミネ-ト
2015年 6月19日~28日 紅たえこ写真展「畜生め」開催
2015年 第38回公募受賞作品展「写真新世紀 東京展2015」佳作 参加
2016年 東京禅フォトギャラリ-にてグル-プ展参加
2017年 1月6日~15日 紅たえこ写真展「因果と果実」開催

後藤 大次郎 写真展

写真
呼吸
6/27 (火) ~7/10 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

奈良県大峰山系、修験行者として入峰。
懺悔 懺悔 六根清浄
法螺貝とともに行者掛け念仏が山を駈ける。仏の胎内(山)で眼、耳、鼻、舌、身、意(六根)の浄化を願い、全てを委ね無にし、そして歩く。自然の音が説法となる。大峰山への畏敬の念、感謝、驚異を感じるとともに自身が自然の一部である事を認識する。これが行者の修行です。
写真から、行者の、大峰山の呼吸を感じていただければ光栄です。 (後藤 大次郎)

作者のプロフィール

後藤 大次郎(ゴトウ ダイジロウ)
1968年 東京都生まれ
1996年 後藤事務所設立
2006年 [man who is bumming around]を新宿ニコンサロンにて開催
現在、 株式会社den photos設立