大阪ニコンサロン 2016年6月

第35回土門拳賞受賞作品展
山内 道雄写真展

写真
DHAKA
5/19 (木) ~6/1 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真

ダッカへは2013年の5月5日から7月28日までと、2015年の4月22日から7月19日までの2回の渡航で、合わせて半年近く作者は滞在した。バングラデシュの首都・ダッカの人口は約1,500万人である。経済の中心であるモティジール地区と下町風のオールドダッカの間に位置するグリスタン地区に拠点となる宿をとって、作者は人混みの中を歩いた。
ダッカは気さくでその人らしさをまる出しで生活している人が多い印象を受けた。そんな人や街を受け止める気持ちで作者は写した。今回の写真展は、人の息づかいや街の喧噪、光、雨期の湿気、作者の視線などが感じられる、そのときのダッカの生々しい記録となることを作者は目指した。
外輪船や馬車、無数の小さな渡し舟などオールドダッカに広がる昔ながらの街並みは、このままでは長くは存続できないだろうと作者は感じる。世界遺産としてなんとか残せないものか、などと思っている。
カラー79点・モノクロ28点。

受賞理由

「DHAKA」は、約1,500万人が暮らすバングラデシュの首都・ダッカの下町、市場などの雑踏をエネルギッシュに歩き、そこで出会った人々がつかの間に見せた表情のスナップショットの集大成である。カラーとモノクロで写し撮られたダッカの人々は、裸のままの人間らしい活気にあふれ、見る者は人と人が交錯する息づかいに引き込まれる。  
なお、最終選考には、山内氏の作品の他に、画一化されていない昔ながらに続く地方の個人商店を丹念にとらえた池本喜巳氏の「近世店屋考」、地球と人間の営みをグローバルに問い続け、開発や自然災害、都市の崩壊と創造を追い続けた広川泰士氏の「BABEL」、フィリピンに取り残された日系人を訪ね歩き、薄れゆく戦争の記憶に警鐘を鳴らした船尾修氏の「フィリピン残留日本人」の3作品が残った。

作者のプロフィール

写真

山内 道雄(ヤマウチ ミチオ)
1950年愛知県生まれ。早稲田大学、東京写真専門学校(現東京ビジュアルアーツ)卒業。82年フリーランスとして、自主ギャラリーを中心に写真発表を始める。
主な写真集に、『街』(蒼穹舎)、『人へ』(私家版)、『上海』(私家版)、『HONG KONG』(蒼穹舎)、『野良猫』(mole)、『TOKYO、東京』(ワイズ出版)、『Calcutta』(蒼穹舎)、『HOLIDAY』(YK出版)、『TOKYO UP CLOSE』(ラットホールギャラリー)、『東京2005-2007』(蒼穹舎)、『基隆』(グラフィカ編集室)、『人へⅡ』(蒼穹舎)、『DHAKA』(東京キララ社)、『香港1995-1997』(蒼穹舎)、『DHAKA2』(禅フォトギャラリー)がある。受賞歴に、97年伊奈信男賞、2011年林忠彦賞がある。

大阪写真月間2016

写真
写真家150人の一坪展
6/2 (木) ~6/8 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真文化の発展と普及に寄与することを目的に、毎年6月1日の「写真の日」を中心とした期間に東京と大阪で開催されるのが「写真月間」である。
「大阪写真月間」は2000年の暮れに「東京写真月間」(日本写真協会主催)の呼びかけに応じてスタートし、02年6月に初めて「大阪写真月間2002」を開催した。
今回で15回目の開催となる「大阪写真月間2016」では、大阪市内の複数のギャラリーで写真家約150人が1人一坪(1.8m四方)を使って展示する「写真家150人の一坪展」と、一般の写真愛好家が1人一枚を展示する写真展「私のこの一枚」の2つの写真展のほか、高校生による「ハイスクールフォトアワード2016」、「小学生のための写真教室」、記念シンポジウムなどを併催する。
メインイベントである本展の特色は、写真を表現手段として作品を制作している人なら、作品内容や方法はもちろんのこと、年齢、性別、国籍、職業などに関係なく参加できるところにある。また、展示するギャラリーや壁面の場所も抽選で決定するので、いっさいの審査や選別は行わない。写真展にポリシーやテーマを求める人は、この何でもありの写真展に「展としてのポリシーがない」という異論を唱えることもあるが、80歳を超える超ベテラン作品の横に、孫のような学生がはじけるような写真を並べる、そんなお好み焼き的「ごちゃ混ぜ感」が本展の魅力である。
この「写真家150人の一坪展」では、観客は内容も方法も異なる150の写真表現作品に出合うことになり、150の個性の中に、きっと気に入る作品があるはずである。

高田 啓一写真展

写真
現在(いま)を生きる
6/9 (木) ~6/15 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

教員であった作者は、務めていた鳥取聾学校を退職する前後、卒業生の生活ぶりを知りたくて、全国にいる卒業生を訪ね撮影をした。
2013年、鳥取県では「手話言語条例」が全国に先駆けて制定され、全国各地の自治体でも法制化されてきた。条例制定後、世の中はどのように変わってきたのか。再び卒業生を訪ね49名を撮影し、話を聞いた。その中
から30名の写真を展示し、話の一部とともに紹介する。
撮影した卒業生たちは、5年前には独身だったり子どもがいなかったりだったが、現在では何人かの子どもに恵まれて幸せに暮らしている者も多くいる。スポーツの分野で、アジア大会や世界大会に出場している者もいる。
懸命に生きている卒業生や障害者たちの今後が、ますます住みやすい、生活しやすい世の中になっていくことを作者は願い、写真展を開催する。
モノクロ60点。

作者のプロフィール

高田 啓一(タカタ ケイイチ)
1948年鳥取県八頭郡若桜町生まれ。72年鳥取県立境高等学校に勤務し教員生活をスタート。76年鳥取県立鳥取聾学校へ転任。80年写真活動開始。81年鳥取聾学校で写真活動を開始し、顧問として退職まで28年間指導。2009年に33年間勤務した鳥取県立鳥取聾学校を定年退職。ニッコールクラブ会員。
写真展に、11年「あれから」(新宿ニコンサロン、大阪ニコンサロン)、14年「夢を追いかけて」(新宿ニコンサロン、大阪ニコンサロン)がある。
受賞歴に、83年「日本フォトコンテスト」誌(黒白写真の部)年度賞5位、85年同誌(黒白写真の部)年度賞4位、86年「アサヒカメラ」誌(モノクロプリントの部)年度賞次点(4位)、01年「博報賞(障害児教育部門・団体の部)」受賞がある。
07年NHK教育テレビ「ろうを生きる難聴を生きる」の「写真でコミュニケーション」、09年日本海テレビ・山陰放送テレビ(テレビ朝日系列で全国放送)「生きる×2」の「写真に託すメッセージ」に出演。

PHOTO CULTURE WEEK CROSSING 企画展
東松 照明写真展

写真
光源の島
6/16 (木) ~6/22 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真

日本を代表する写真家・東松照明は、1969年に初めて沖縄を撮影した後、1971年を沖縄本島と波照間島で過ごす。翌1972年は那覇で沖縄復帰を目撃し、以後一年あまりをその地で暮らした。
さらに1973年には宮古島に移住して半年ほど滞在し、その年の秋には台湾、フィリピン、マレーシア、インドネシア等の東南アジアの島々を回り、日本写真史の名作『太陽の鉛筆』(1975年)を発表する。以降も東松は繰り返し沖縄を訪れ撮影を継続し、晩年の2010年には再び沖縄へ居を移し、その地で生涯を終えている。東松の沖縄は自己の写真表現の方向を決定づけた特別な場所だった。
この度、東松にとって思い出深い島である宮古島で発見された百枚を超えるオリジナル・カラープリントは、今から四半世紀前に東京で初めて発表された、当時の雰囲気を瑞々しく伝える意味深い写真群である。時代的には1973年から1991年までの間に撮影された、デジタル写真へ移行する以前の東松の光と色のヴィジョンを直接伺い知ることのできる貴重な写真群となっている。沖縄の島々を広範囲に渡り歩きながら、それらの境界を超えてゆく海と空への感性の瑞々しさがそこには溢れ出る。
その死から四年が過ぎ、ますますその重要性と存在感を増す東松照明の写真は、私たちの現在と未来を投影する光源のような役割を果たしつつあるように思う。東松が沖縄の島の宇宙に張り巡らした新たな想像力の跳躍をこれらの写真から再び蘇らせてみたい。(展覧会企画監修・伊藤俊治/石川直樹)

カラー69点。

※当初、文中で「1995年に那覇市民ギャラリーと宮古島・平良市公民館で開かれた「東松照明 戦後日本の光と影」の一部であり、東松の沖縄での初個展で発表された」と記載しておりましたが、その後の調査により、1990年代に東京で発表された事実が判明しましたので、該当箇所を「今から四半世紀前に東京で初めて発表された」と訂正致しました。

作者のプロフィール

写真

東松 照明(トウマツ ショウメイ)
1930年愛知県生まれ。愛知大学経済学部卒業後、岩波写真文庫を経て写真家として活動。ニューヨークのメトロポリタン美術館で「20世紀の傑出した日本人写真家」として初めて個展を開くなど、日本を代表する写真家として世界写真史に多くの業績が刻まれている。代表作に『太陽の鉛筆』『光る風 沖縄』『廃園』『時の島々』など多数。独立写真集団VIVOの設立に参加、WORKSHOP写真学校開校など時代を画する写真活動を行った。沖縄の島々を愛し続け、数多くの沖縄シリーズを撮影し、2010年には沖縄に移住。12年那覇市内の病院で死去。

フォトセミナーのお知らせ

PHOTO CULTURE WEEK CROSSING
第90回大阪ニコンサロンフォトセミナー
「東松照明写真展『光源の島』を語る」

開催日時:2016年6月18日(土)15:30-17:00
講師: 伊藤俊治×今福龍太
会場:ニコンプラザ大阪 特設会場
参加費:無料

※事前予約制/受付:5月9日(月)13:00-5月31日(火)13:00
応募はWEBかFAXで承ります。詳しくはこちらのニコンイメージングWEBサイトをご覧ください。

juna21 ニーモ 写真展

写真
sTILL LIVEs
6/23 (木) ~6/29 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

まなざしを向けること、もしくはそのまなざしを疑うことを意識して撮影したスナップ写真作品。
そのとき、そこにあったものへの機械的とも呼ぶべき愛情で向き合ったものです。
それ以外のものはカメラに預けました。 (ニーモ)

カラー約33点。

作者のプロフィール

ニーモ
1982年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同校芸術学校空間映像科卒業。

juna21 野口 健吾写真展

写真
Family Affair
6/30 (木) ~7/6 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

ある人は生まれ育った村でずっと畑仕事をし、ある人は村を離れ遠くの地まで出稼ぎに行く。
ある夫婦は健康な子供に恵まれ、ある夫婦はなかなか子供ができずに嘆く。第二夫人を迎えたり、離婚したりする。
村にはヒンドゥー教を信仰する家もあれば、仏教徒の家もある。
崩れてきた自分の家に押しつぶされてしまう人もいれば、一方で生き残る人もいる。
何がよいということはない。そして悪いということもないだろう。それは家庭の事情であったり、自然の摂理だったりするから。だから皆こうやって助け合っていく。脈々と祖先から受け継がれてきた血で親兄弟は繋がっているし、そして村もひとつの家族であるから。
本展では、2015年4月25日に起きたネパール地震から1カ月半後に、震源近くにある小さな村、シンドパルチョーク郡ラタンコット村にて作者が撮影した家族写真を展示する。また、同時期に首都カトマンズ近郊の世界遺産である古都バクタプルで撮影した、宿屋の主人の映像も一点展示する。

作者のプロフィール

野口 健吾(ノグチ ケンゴ)
1984年神奈川県生まれ。立教大学社会学部卒業。東京藝術大学大学院美術研究科修了。受賞歴に、2012年 「第7回写真「1_WALL」展」ファイナリスト、同年「MEC Award 2012」ファイナリスト、2015年「BRIGHT PHOTO AWARDS 2015」グランプリがある。
ホームページ http://www.kengonoguchi.com