銀座ニコンサロン 2011年10月

秋山 武雄

写真
昭和三十年代 瞼、閉じれば東京セピア
9/28 (水) ~10/11 (火)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

見よう見まねで写真を撮り始めた16歳(昭和28年)。写真に夢中になり、写真を撮り続けることを条件で家業を継ぐことになった18歳。仕込み前の早朝と月一度の休日を自転車に乗って東京を写し回った青年期。今から五十数年前の話である。
時が流れ、当時撮影して仕舞い込んであったフィルムが加水分解し、ビネガーシンドローム(フィルム中毒)とやらにかかり、暗室作業に不向きな程痛んだので、友人からの勧めでフィルムスキャンをし、パソコンに保存し始めた。
そんな折に3月11日の東日本大震災が起こり、大津波によって何もかにも流された街の姿を目にした時、作者は1945年時の日本敗戦での東京下町が丸焼けになった街とだぶって見えた。
現代とは社会構造が異なるが、力強く働く人々と、街の復旧・復興がかならずや出来上がると信じて当時作者が撮影したフィルムの中から見出した作品を展示する。モノクロ110点。

作者のプロフィール

1937年東京生まれ。79年、81年アサヒカメラ誌年度賞受賞。85年日本カメラ誌年度賞招待作家となる。89年読売写真大賞受賞。NHKテレビで東京・銀座、ほか30年代の街を特集放送。ほか民放テレビ、雑誌等での古い東京を発表(モノクロ)。
写真展に、88年「スチール下町人物歳時記」、99年「昭和28年~42年 わたしの東京物語」(以上、新宿ニコンサロン)、2001年「浦安、青べかの消えた街の詩」(銀座ニコンサロン)などがある。

アナトリー・チェルカソフ

写真
自然における私の居場所
10/12 (水) ~10/25 (火)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

作者が写真を撮り始めたのは1950年代の初めのことで、退職後、趣味の写真に専念しはじめ、理論や技術など、すべてを基礎から学んだ。
作者にとって、写真とは交流の手段である。最も大切にしたのは、自然や周囲の環境や人間に、できるだけ近づくことであった。視覚的な写真がどのようにして触知性を持つのか。農民にとっては「審美的」といえない被写体のラインやシャープネス、奥行きなどの物質的、立体的な美しさを平面で表現するにはどうすればよいか。探し求めた末に、作者はプラチナプリントを見いだした。
現代の文化は、何に対しても事を急ぎ、現実から夢想の世界へと逃避する傾向が強くなっているように思う。しかし、プラチナプリントは誰かを急かすことがない。だからこそ、高貴なプロセスなのである。
作者は「純粋な芸術」である写真、そして美しさの物理的なディテールとの不思議な関係性に没頭しながら、写真家の道を一歩一歩、ゆっくりと進んでいる。
なお撮影場所は、主に生まれ故郷のウクライナとロシア、モスクワ近郊である。
プラチナプリント作品。

作者のプロフィール

1935年ウクライナ、ルハンシク地方デネジュニコヴォ村生まれ。ドンバスの高校を卒業後、レニングラツキにて軍務につく。その後炭鉱で働き、64年ティミリヤーゼフ記念モスクワ農業大学卒業。卒業後、モスクワにて就職。経済学の研究者およびロシア連邦における農業経済の著名人として活躍。現在 Agrocomplex Gorki-2 (株式非公開会社)代表取締役。

阿部 直樹

写真

10/26 (水) ~11/8 (火)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

作者は対象を見るとき、透明で見えない“壁”にぶち当たったかのように感じるという。同時にその見えない“壁”をすり抜け、向こう側からこちらの側を見ているように感じるともいう。実在しない“壁”の存在を感じ、それが無限に広がるもののように思えるという。
“壁”の外側で感じる疎外感と、内側で感じる一体感。それらが混ざり合うときの不思議な感覚に作者は魅了され、それを写真で捉える。モノクロ35点。

作者のプロフィール

1983年群馬県生まれ。2006年東京造形大学造形学部デザイン学科卒業。08年同大学大学院造形研究科デザイン研究領域修了。