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Japan
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2010年度 三木淳賞奨励賞

juna21 ライアン・リブレ(RYAN LIBRE)

Portraits of Independence: Inside the Kachin Independence Army
(独立の肖像:カチン独立運動の内側から)

内容:

写真

カチンの政治的リーダーは、ミャンマーの軍事政府に対して信念を持って交渉しており、その態度を見てカチンの一般市民は、勇気と誇りを持ち続けることができる。
カチンの牧師は、信仰を人々に誠実に語り、一般市民は、共に支えあいながら強く生きている。とくに学生は、カチンを平和でよりよい未来にするために強い決意と切迫感を持って学習している。
カチンのような過酷な状況にいる人々も、強さや信念、誠実さや決意、勤勉や希望を持って生きている。カラー40点。

授賞理由:

本作品は、ミャンマー最北にあるカチン州において撮られた貴重なドキュメンタリーである。日本ではミャンマーの少数民族問題について得られる情報は大変限られているが、現地では長年カチン独立機構と政府との間で内戦が続いていた。94年に停戦が締結されたものの、簡単に緊張が解けるはずもなく、現在もなお内戦勃発の危険にさらされている。作者は3ヶ月にわたって取材を行ない、そこで誇りを持って暮らす人々の姿を丹念に記録している。作者はその写真をさらに詳細な文字情報と組み合わせ、写真と言葉の双方を活用した「読む」展覧会を作り上げた。その行動力だけではなく、その成果を伝達するための丁寧な工夫が写真展において遺憾なく発揮されたことは、高く評価されてよい。
近年、日本はアジアの一員としてますますその認識を強く問われているが、その意味でも本作品の内容は、マスメディアを通してはほとんど手に入ることのない貴重な情報を含むものであるだけに意義深い。その行動力と伝達力に今後さらなる磨きがかかることを期待したい。

プロフィール:

写真

カリフォルニア北部生まれ。アメリカ陸軍を離隊後、平和研究で学位を取得。日本と東南アジアに5年ずつ暮らしていた経験がある。
自らの長期プロジェクトを中心に活動しており、撮影対象者を理解するために膨大な時間を費やす一方で、画像の後処理にはほとんど時間をかけない。
これまでに、富士フイルムフォトサロン(札幌)、タイや日本の外国人記者クラブ、ニコンサロンで写真展を開催。
また、ピュリツァーセンターからカチン族の苦闘を記録するための助成金も受けている。
プロジェクトや写真指導以外の時間は、タイ北部にある日干しレンガづくりの家制作を楽しんでいる。

Portraits of Independence : Inside the Kachin Independence Army
(独立の肖像:カチン独立運動の内側から)
展示内容:
 人々が抑圧されるビルマ(現:ミャンマー)で、民族的にも宗教的にもより厳しく抑圧されている少数民族―カチン族。
 写真は、中国との国境に位置し、カチン独立軍の支配下にある「フリーカチン」(カチン族が民族自決により生きられる土地)の今を伝えるものだ。
 私はこの作品を通して「強さと信念」「真摯さと決意」、そして「刻苦と地球上で最も暗澹とした国のひとつが放つ希望」をみなさんと共有したい。

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